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1998 年度 実績報告書

噴火湾における風による渦流が湾内生態系と物質循環に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 10480121
研究機関北海道大学

研究代表者

三宅 秀男  北海道大学, 水産学部, 教授 (60002127)

研究分担者 村上 敬  北海道大学, 水産学部, 助手 (70101136)
簗田 満  北海道大学, 水産学部, 助教授 (00166555)
キーワード渦流 / 沿岸流 / 沈降粒子 / 南東風
研究概要

風による渦流が実際に生じているかを、噴火湾内の沿岸4ヶ所と中央部の流れの資料を解析して調べた。また、中央部に設置したセジメント・トラップと流速計とにより流れと沈降フラックスの関係を調べ、風によりどのような流れが生じ沈降粒子がどのような経路で輸送されるかを推定した。1 沿岸の10m深では風に対して風下に流れが生じ、噴火湾中央部の80m深では風上に向かって流れている。特に、中央部80m深の風と流向の相関は通年およそ-0.6あり、風により渦対が発生し、湾中央部では風上に向かう流れがあることが確認された。
2 風と沿岸表層の流れとの関係は、ラグ相互相関解析によると胆振側に比べ渡島側では応答が鈍くかつ応答時間が遅い。このことは沿岸流に沿岸波動が介在し、渦対の流れを隠していると考えられる。また、渦対で説明できない流れの期間もあった。これらは夏季表層の環流や台風の影響と考えられる。
3 セジメント・トラップには、全フラックスの突発的なピークが何度か認められ、この時南よりの風が吹いている。これらのピーク時にはトラップの沈降粒子の有機物質含量が相対的に低く、海底堆積物起源であることを示唆している。南よりの風が吹いた時、湾奥部で風波が発達し、再懸濁粒子が渦対による南向きの流れに乗って流されながら沈降しトラップに捕捉されると解釈した。
4 科研の採択内定が遅れたため、鵡川沖の測流は実施できなかった。平成11年度に外湾の鵡川沖と噴火湾中央部、さらに噴火湾沿岸4ヶ所で同時測流を実施し、内部ケルビン波の観測、重力流としてsillを越える流れの実態の観測、湾内の波動の伝播について資料を得る予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 三宅秀男: "噴火湾の循環流について" 海と空. 74・3. 113-123 (1998)

  • [文献書誌] Saino Toshiro: "Short term variabilits of Particlefluxes and its relation to variability in sea temperature and chlorophyll afield detected by OCTS off Sanriku, Northwestern North Pacific in the spring of 1997" Jour.Oceanogr.54・5. 583-592 (1998)

  • [文献書誌] Miyake Hideo: "Short-time variations of low trophic level productivits and hydrographic conditions in funka Bay" Memoirs Fac.Fish.,Hokkaido Univ.45. 36-41 (1998)

  • [文献書誌] Sasaoka Kousei: "Coastal Oyashio Multi-disciplinary and Advanced Study(COMPAS)program using new ocean colorremote sensing and intensive ship observations." Memoirs Fac.Fish.,Hokkaido Univ.45・1. 1-17 (1998)

  • [文献書誌] Uehara Kazuyuki: "Deep Hows on the slope inshore of the Kuril-Kamchatka Trench south east off cape Erimo,Hokkaido" Jour.Oceanogr.55・3. (in press)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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