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1999 年度 実績報告書

噴火湾における風による渦流が湾内生態系と物質循環に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 10480121
研究機関北海道大学

研究代表者

三宅 秀男  北海道大学, 水産学部, 教授 (60002127)

研究分担者 村上 敬  北海道大学, 水産学部, 助手 (70101136)
簗田 満  北海道大学, 水産学部, 助教授 (00166555)
キーワード季節風 / 渦流 / 環流 / 沿岸波動 / 沈降粒子
研究概要

噴火湾では風によって生じる流れや波動が、湾内の生態系や物質循環に大きく影響していることが判ってきた。そこで本研究では、(1)風に伴う湾内の渦流の確認、(2)夏季噴火湾固有水の環流の構造、(3)風によって励起される湾岸流の発生と特徴、(4)風や流れと沈降粒子の関係について調べた。結果の概要は以下のようにまとめられる。
(1)1997年の5,6月の湾内沿岸3ヶ所と湾央部1ヶ所での測流観測から、沿岸表層では、風下に流れる沿岸流が生じ、湾央部の80m層では風上に向かう流れが起っていた。このことは、数値実験で示唆された渦対の流れを示すものである。
(2)1997年の6、7月の湾全域のCTDおよびADCP観測から、夏季の環流の中心部は剛体回転であり、2.5から5日の周期で1回転する。また、環流は地衡流平衡しており、6月から7月への環流の形態の変化はポテンシャル渦度の保存則から説明できた。
(3)日高外湾の日高側と渡島側での2系4層の測流結果から、夏季の表層の流れは陸棚波で説明できた。しかし、下層では、夏季は約10日周期の湾奥に向かう流れと沖に向かう流れの振動が見られた。一方秋の下層では、約8日の周期で流れは日高側と渡島側で逆向きであった。この解釈はまだ考察中であるが、少なくとも同じ風に対して、日高側と渡島側とでは上下層で全く異なる応答を示している。
(4)4月から10月にかけて前沈降粒子フラックスおよび生元素フラックスは、突発的な極大を伴った顕著な短期(2〜4日)変動を示した。この変動は生物的要因によって引き起こされると同時に、気象条件(風向、風速)の伴って単発的に発生する海底堆積物の再懸濁や渦流による湾奥部への輸送などによるものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 三宅秀男: "噴火湾の循環流について"海と空. 74・3. 113-123 (1998)

  • [文献書誌] 簗田 満: "1996年春季噴火湾周辺海域における親潮系水中の栄養塩組織:春季ブルームに対する影響"北大水産研究彙報. 50・2. 123-138 (1999)

  • [文献書誌] 簗田 満: "噴火湾における全微少生物量の指標としてのATP濃度の時間変動"北大水産研究彙報. 50・2. 139-147 (1999)

  • [文献書誌] Nakayama, Taketoshi: "Wind-driven vortex-pair flows in Funka Bay, Hokkaido in early summer"Bull. Fac. Fish., Hokkaido Univ.. 51・1. 45-54 (2000)

  • [文献書誌] Yanada, Mitsuru: "The relation between primary production and the flux of particulate organic matter in subarctic sea"Dynamics and characterization of Marine Organic Matter. (in press).

  • [文献書誌] Kudo, Isao: "Exhaustion of nitrate terminates a phytoplankton bloom in Funka Bay, Japan : Change in SiO_4 : NO_3 consumption rate during the bloom"Marine Ecol. Prog. Ser.. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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