研究課題/領域番号 |
10480127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
青山 勳 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (10026239)
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研究分担者 |
羅 栄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (10284093)
岡村 秀雄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90253020)
村本 茂樹 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (50033121)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 難分解性物質 / 保存性物質 / 有害化学物質 / 生態毒性評価 / 運命 / 相互作用 / 界面活性剤 / 産業廃棄物埋め立て浸出水 |
研究概要 |
本研究は人間活動を起因として、環境に放出または流出した有害化学物質の生態系における運命と生態毒性評価を行うことを目的とした。 本研究では、化学物質の発生源、生態系における運命、生態毒性評価、有害化学物質の相互作用等を明らかにした。 まず発生源としては、産業廃棄物埋め立て浸出水の細胞毒性、遺伝毒性、内分泌撹乱作用の点から毒性評価を行った。ミジンコの遊泳阻害による細胞毒性は調査地点全てから検出されたが、遺伝毒性が検出されたのは数地点にすぎなかった。しかし内分泌撹乱作用は、源水を40倍濃縮すると、ほとんどの地点から検出された。河川の流下過程における有機有害化学物質の運命を現地調査によって調べた。水に難溶性の有機物質は、水相よりも底質への吸着量が多くなり、そのため毒性も強く現れた。また底質には、比較的極性の高い有機物質が支配的に毒性に寄与していることが分かった。河川の流下過程における有害化学物質の時空間的分布の特性を解析した。特に毒性が強く現れた時期の河川水について、農薬、重金属のミジンコの運動量を指標として相互作用を解析した。ミジンコを用いた毒性試験に運動量阻害の指標で評価することを試みた。従来法では24ないし48時間の死亡率もしくは遊泳阻害率が、運動量の変化を図ることによって、3時間に短縮することができ、また、低濃度でも毒性を検出することができる方法を開発した。 船底防汚剤として使用されてきたTBTに変わりIrgaro1051が新たに使用されるようになった。瀬戸内海域における海水の化学分析を行ったところ、既に全域に汚染が進んでいることが明らかになった。また、その分解産物のM1物質も全域に分布している事が分かった。その毒性については親物質よりも娘物質の方が毒性は弱いが、通常の環境で分解しにくく、長期的には、海洋環境の汚染が問題になる可能性が示唆された。
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