研究概要 |
本研究第一年度には、ODP国際掘削計画プロボーザル#477の計画達成を目さした予備調査が、1999年8月ベーリング海にて行われた。これは東京大学海洋研究所の白鳳丸を使用した一ヶ月間の航海(Hakuho-Maru KH99-3 Cruise Report,in press)で、現場海域フィールド作業として掘削に向けた音波・マルチャネル地震波探査等のSite Survey調査が行われた。又、数本のピストンコアおよびマルチプルコアがベーリング海および北太平洋亜寒帯にて首尾よく採取された。これらコアの解析は、現在日本国内の研究者で作られたチームの共同研究の形で推進されている。2000年1月11-12日に東京大学海洋研究所にて開催された古海洋学シンポジウムでは、速報が既に紹介され代表的なピストンコア(例えばUMK-3A,BOW-12A,BOW-9A,ES等)の年代や珪藻群集解析に関する発表があった。今後、更にこれらのコアを推進しベーリング海における古環境復元にを行う。また、オホーツク海に関しては、オホーツク海中部海域で得られたPC1(長さ11.1m)の解析に過去一年間の努力が払われた。このコアについては、レディオラリア化石を用いた過去12.5万年間の古環境復元が成されており、他の化石群集とのつきあわせを計画している。今後、これらの手持ちの情報を総括しODP国際掘削計画の2002-2003年のベーリング海およびオホーツク海での掘削を実現するための最大限の努力をする。
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