研究概要 |
本研究では、海洋のフィールドから得られた生物源沈降粒子フラックスの化学的主要研究項目(例えば、C,H,.CaCO_3,SiO_2)を長期間連続測定するばかりではなく、プランクトン殻粒子生物群のフラックスをも測定する。このような詳細データが解析され、さらに衛星画像や船舶による広海域での表面水温・クロロフィルデータと付合させることにより、地球規模の理解に必要なこれらの海域における物質循環および気候変動の機構の詳細が把握できることを目的としている。1999年8月にODP国際掘削計画プロポーザル#477の計画達成のため、東京大学海洋研究所の白鳳丸KH99-3航海においてピストンコアが数本得られた。ベーリング海及び北太平洋亜寒帯域で得られたこれらピストンコアは現在日本国内の研究者で構成されたチームの共同研究が推進されている。本研究室では中でも基礎的化学物質(生物源オパール・炭酸カルシウム・有機炭素・窒素)及び、珪藻、レディオラリアを用いたベーリング海における過去20万年間の古環境解析が進んでおり、海洋学会秋季大会及び2001年古海洋学シンポジウム(於東京大学海洋研)にて随時発表された。今後、上記の項目と浮遊性有孔虫を加えたより詳細なベーリング海の古環境復元が行われる予定である。またオホーツク海に関しては、レディオラリによる約12.5万年間の古環境復元についての研究結果を現在Marine micropaleontologyに投稿中である。今後、ベーリング海及びオーツク海における解析結果を総括し、ODP国際掘削計画の2002-2003年の海域での掘削を実現するための最大限の努力をする。
|