研究課題/領域番号 |
10480130
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下岡 聡行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50196549)
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研究分担者 |
福島 菊郎 北海道大学, 医学部, 教授 (70091486)
加藤 祐次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50261582)
清水 孝一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125322)
山下 政司 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (40210421)
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キーワード | 電界 / 電磁界 / 生体影響 / 被曝量 / 定量的解析 / 安全性 / 数値解析 / 曝露実験 |
研究概要 |
本研究は、人体に対する電界曝露量の正確な解析法および評価法を確立することを第一の目的とする。また、これまで開発してきた光バイオテレメトリ手法を適用することにより、このような電磁環境の生体に対するストレス性を定量的に明らかにすることを第二の目的とする。本年度は、ELF電磁環境の生体影響の定量的解析と安全性評価をめざし、人体に対する電界の局所ならびに全身曝露実験を行った。実験では、人体曝露量の実測、さらに定量評価可能な生体作用の探索などを行った。その結果、以下の成果が得られた。 1.これまで得られた複雑な形状の対象物に適用可能な数値解析手法により、人体表面全面にわたり電界強度分布を得た。 2.これまで得られた局所電界計測法を人体に適用し、人体表面全面の電界値分布を計測した。 3.生体を切断することなく局所的な体内誘導電流を計測する手法を人体に適用し、体内電流分布計測を生きた生体で実現した。 4.臨床で用いられる電界治療器で曝露される体表電界および体内電流を、これらの手法で実測した。その結果、電界治療器においてこれまで知られていなかった体表電界の集中の様子、および体内の高電流密度部位(いわゆるhot spot)などが初めて明らかになった。 5.本研究で可能となった定量的解析により、電界感知の機序やその個人差の一部が明らかとなった。 6.電界曝露に伴う生理的変化として、体表における抹消血流量が変化する可能性が見出された。 以上の結果により、本研究の所期の目的はほぼ達成され、さらにいくつかの有用な知見が新たに得られた。
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