研究課題/領域番号 |
10480137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
小林 克己 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (20114077)
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研究分担者 |
高倉 かほる 国際基督教大学, 教養, 助教授 (80052281)
宇佐美 徳子 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60232807)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 放射光 / DNA鎖切断 / 単色軟X線 / プラスミド / スカベンジャー |
研究概要 |
本研究の目的は我々の予測,、即ち「水溶液中DNA分子において二本鎖切断は、エネルギー付与後の短時間かつ局所的に生成する領域で主に生成する」を確認するために、この領域の生成割合を変化させて、水溶液中のプラスミドDNAおよび細胞DNAに生成する一本鎖切断と二本鎖切断の生成効率の比を調べることである。 平成10年度は、細胞内を模擬するために比較的高濃度のラジカルスカベンジャー存在下で、照射X線エネルギーを変えて一本鎖切断と二本鎖切断の生成効率を測定した。我々の仮説からの予測では、局所的に高密度でラジカル存在する領域で主に生成する二本鎖切断はスカベンジャーによってあまり押さえられないと推測された。実験の結果、予測通り、2.147keV、10keVのどちらのエネルギーでも二重鎖切断の方が押さえられなかった。 平成11年度は(a)光子吸収当たりに生成するラジカル数がもっとも少ない真空紫外線領域での鎖切断の生成効率、および(b)パルスフィールド電気泳動法を用いて実際の細胞中での鎖切断効率の直接的測定法の開発と、それによって得られた結果を濃厚水溶液系と比較する、という目標で研究を行った。その結果、真空紫外領域では、水が光子を吸収し始めるのに対応して一本鎖切断と二本鎖切断の生成がみられたが、そのエネルギー依存性は異なっていた。 また、パルスフィールド電気泳動装置を用いた実験では、直接DNA鎖切断が定量出来ることが判った。プラスミドDNAの実験と比べられるような精度のよい結果が得られるような泳動条件を検討している所である。
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