研究課題/領域番号 |
10480141
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松尾 友矩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80010784)
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研究分担者 |
平山 公明 山梨大学, 工学部, 助教授 (40107214)
荒巻 俊也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (90282673)
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
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キーワード | 水循環 / 東京都区部 / GIS / 雑用水利用 / 雨水貯留 |
研究概要 |
地理情報システムをベースにして、東京都区部における水循環に関する基礎的な日変動モデルの開発を行った。さらにこのモデルを利用して、雨水や下水処理水などの雑用水利用システムを導入した場合の効果についての検討を行った。 このモデルは、ラスター型とベグター型の2種類のGISデータから構成されており、ラスター型データで各地域の水収支の状況を記述し、ベクター型データで水の地域間の移動を表現している。具体的には、ラスター型データとして250mメッシュごとの建物用途別の延べ床面積、敷地面積や雨水量が与えられており、延べ床面積から日平均の水需要量や雑用水需要量、発年下水量が算出されるとともに、敷地面積と雨水量から雨水利用可能量が算出される。一方、ベクター型データとして下水管路網と都市河川のデータを保持しており、各メッシュから発生した下水や雨水流出量を集計し、マンホールや河川の各地点における流量が算出できるようになっている。 さらに雑用水利用システムの導入による節水効果や維持管理費用の増減が検討できるように上記のモデルの修正を行った。対象とした雑用水利用システムは、各戸に架ける雨水貯留システム、各メッシュ単位での下水処理水の地域循環システム、下水処抑場高度処理水の広域循環システム、下水幹線上に処理供給施設を設けて周辺地区に雑用水を供給する広域循環システムの4形態である。 都区部全域で各建物の屋根面積に対して60mmの降雨に対応できる雨水貯留システムを導入したケースでは、事業系建物にのみ導入した場合は全水需要量の約3%、住居系建物にも導入した場合は全水需要量の約10%を代替できる、などの結果が開発したモデルを用いて試算された。
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