研究課題/領域番号 |
10480145
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松田 仁樹 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (80115633)
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研究分担者 |
出口 清一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50283411)
藤間 幸久 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (10273252)
渡辺 藤雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70109312)
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キーワード | 排ガスクリーニング / 熱分解生成ガス / 酸化金属 / 廃棄物リサイクル |
研究概要 |
現在、酸性ガス吸収に有効なCa分を多く含む固体廃棄物の一つである石炭燃焼灰によるHClガス吸収基礎特性について実験的検討を行っている。吸収剤試料としては流動層石炭燃焼炉から排出された各種飛灰を用いた。実験はミクロ高温熱天秤装置を用いた微量固体試料のHClガスの反応吸収特性を反応に伴う試料重量変化から解析し、XRDおよびSEM/EDSから得られた固体分析結果との対比によって、以下の主な知見を得ている。 (1) 本研究で用いた流動層飛灰では試料中に含まれる脱流剤に由来する未利用灰によってHClガスが吸収され、CaCl_2の形で固定化されている。 (2) 飛灰中のCa化合物は天然石灰石および消す石灰を焼成して製造したCaOと同等あるいはそれ以上の初期反応速度を有し、湿度、HClガス濃度、固体試料粒程ごとに得られた初期反応速度の値は既往の酸化カルシウムを用いた実験により得られた値とほぼ一致した。 (3) 石炭燃料灰のHClガス吸収容量は消石灰のそれに比べ低く、約半分程度であった。これは石炭燃焼灰において、HCl吸収反応性に乏しいCa_2SiO_4が灰の表面に生成するためと考えられる。 さらに流動層石炭燃焼灰(燃焼温度〜850℃)と微粒炭燃焼灰(燃焼温度〜1400℃)の脱流反応性を比較した結果、石炭燃焼温度によって生成する灰の物理構造、表面構造の違いによる反応性の相違を確認した。しかし、高温で焼成された低反応性の石炭灰は熱水養生を用いるとによてその反応活性を大幅に改善できることを認めた。
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