研究課題/領域番号 |
10480146
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤間 幸久 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (10273252)
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研究分担者 |
出口 清一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50283411)
遠藤 琢磨 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90232991)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 振動流動層 / 飛灰 / ダイオキシン / 熱分解処理 / 流動化 / 熱伝達 |
研究概要 |
本研究では、既設の廃棄物焼却設備に軽便に装着可能な飛灰中ダイオキシンの無酸素条件中温熱分解無害化装置の開発をねらいとし、要素技術の提案と、その基礎性能を明らかにすることを目的としている。分解装置の構想は、飛灰層を内蔵する密閉容器に重力方向の振動を与え、密閉容器と飛灰層の相対移動により誘起される系内ガス流れに整流操作を加えて流動層を形成し、その高い伝熱性能により飛灰層を高速加熱するものである。上記案に基づく、人口約2500人用廃棄物焼却設備からの飛灰処が可能なサイズの可視可装置を試作し、5〜150ミクロンの無定形粒子である一般廃棄物焼却場飛灰を模擬した平均径50ミクロンのガラスビーズを用いて、流動可能範囲、加熱要素と流動層間熱伝達レベルを実験的に明らかにした。なお、整流装置として上下に自由運動する鋼球を介し気体の下方流通のみを許容する逆止弁を組み込んだ通気管を試用した。粒子の流動化に要する容器の下方振動加速度は重力加速度の1.3倍程度で十分であり、流動層内発生圧力、流通ガス量は振動数、鋼球の運動範囲設定などの操作条件により調整可能なこと、熱伝達係数は通常流動層のそれに対しそん色のないことが認められた。また、簡単な運動解析による上記実験結果を説明する計算モデルの作成にかかっている。これらの結果は国内外の研究発表会で報告し、また国内特許を出願中である。今後、スケールアップ、実設計の要点となる基礎的な現象の実験的研究を系統的に進める予定である。この構想による反応器は、本目的の飛灰中ダイオキシン分解のみならず、粒子の加熱調質などにも適用可能との示唆も受けている。
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