1.芳香族アルキル化反応の開発:ブレファリズミンの構造上の特徴である芳香環上へのアルキル(イソプロピル基やエチル基)側鎖導入法として、(1)Sc(OTf)3あるいはTfOH触媒を用いるFriedel-Craftsアルキル化、(2)立体障害の大きなアルコール(t-ブタノールやトリエチルカルビノール)で保護されたo-あるいはp-メトキシ置換安息香酸エステル誘導体に対するGrignard試薬の芳香族求核置換反応アルキル化を開発した。 2.ブレファリズミン基本骨格の効率的合成:ブレファリズミン-3あるいはステントリンCの基本骨格構築に必要なアントラキノン誘導体について、分子内Friedel-Craftsアシル化反応を基軸とする効率的合成法、及び古賀試薬(塩化第二銅-TMEDA錯体)を用いた分子内酸化的カップリングを経由するペリレンキノン系骨格の効率的合成法を開発した。 3.ブレファリズミン基本骨格ジフェノール部分の高圧合成:ブレファリズミンの構造上の特徴であるジフェノール部分の構築をフェノール類とアルデヒドとのTfOH触媒存在下での高圧縮合反応によって解決できることを見つけた。 4.光励起ブレファリズミンの構造変化の解析:ブレファリスミンの光シグナル変換初期過程において、OHラジカル生成を伴うオキシブレファリスミン、またはステントリン/p-ヒドロキシベンズアルデヒドが生成することを明らかにした。 5.繊毛虫ブレファリスマの光行動を支配するブレファリスミンの分子レベルでの機能解析:ブレファリズミンの生物体内における光センサーとしての機能を分子レベルから明らかにするため、主として蛍光分析を利用するブレファリスミン/タンパク質複合体、及びin vitroにおけるブレファリスミンの挙動を比較検証した。
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