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1998 年度 実績報告書

輸送小胞を介する選択的細胞内蛋白質輸送の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 10480155
研究機関千葉大学

研究代表者

大野 博司  千葉大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50233226)

キーワード細胞内蛋白輸送 / チロシン・シグナル / AP複合体 / エンドサイトーシス / リソソーム / トランスゴルジ網
研究概要

細胞内蛋白質輸送シグナルのひとつ、チロシン・シグナル(YXXφ,φは疎水性側鎖を持つアミノ酸)はエンドサイトーシス、リソソームへの局在、トランスゴルジ網への局在など、複数の細胞内輸送系に関与することが知られている。チロシン・シグナルを持つ蛋白質は、輸送小胞の被覆成分であるAP複合体μ鎖と結合することにより輸送小胞に取り込まれる。しかし、どのようにして上記のような複数の蛋白輸送系を制御しているのか、すなわち輸送特異性の分子機構は明らかではない。そこで、APμ鎖ファミリー分子とチロシン・シグナルとの相互作用を解析することにより、選択的蛋白輸送のメカニズムを明らかにすることを目的として研究を進めている。
チロシンと疎水性アミノ酸残基以外の位置をランダム化したXXXYXXφライブラリーを用いて各μ鎖にどのようなチロシン・シグナルの配列を検討した.その結果、それぞれのμ鎖はチロシン以外のアミノ酸の異同により、それそれ異なるチロシン・シグナルのサブセットと高親和性に結合することがわかった。このμ鎖とチロシン・シグナルの結合特異性が、チロシン・シグナルによる輸送特異性の少なくとも一部を規定していると考えられる(Ohno,H.et al.J.Biol.Chem.1998.)。
申請者らが最近同定した新たなAP(様)複合体AP-3は、主としてエンドソームに分布すること、またyeastの.AP-3ホモログの液胞輸送への関与が示唆されていることなどから、エンドソームからリソソームへの輸送に関与している可能性がある。そこで、XXXYXXφライブラリーで得た結果をもとに、μ3Aに結合するクローンとしないクローンをそれぞれ数個ずつ単離し、その配列をIL-2受容体α鎖(Tac)の細胞質領域に付加したキメラ蛋白を作製し、これらを安定に発現したHeLa細胞を得た。これらの細胞を用いて、キメラ蛋白の細胞内局在や動態を検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ohno,H.: "Cloning of the gene encoding the murine clathrin-associated adaptor medium chain μ2:gene organization,alternative splicing and chromosomal assignment." Gene. 210. 187-193 (1988)

  • [文献書誌] Park,S.Y.: "Resistance of Fc receptor-deficient mice to fatal glomerulonephritis." J.Clin.Inv.102. 1229-1238 (1988)

  • [文献書誌] Ohno,H.: "The medium subunits of clathrin adaptor complexes recognize distinct but overlapping sets of tyrosine-based sorting signals." J.Biol.Chem.273. 25915-25921 (1988)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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