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2001 年度 実績報告書

情報ネットワークシステムとしてのプロテインホスファターゼ系の制御機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10480162
研究機関北海道大学

研究代表者

菊池 九二三  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)

研究分担者 田沼 延公  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
島 礼  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10196462)
キーワードプロテインホスファターゼ / チロシンホスファターゼ / 二重基質特異性ホスファターゼ / PTPε / トウトマイセチン / 細胞分化 / IL-6 / アポトーシス
研究概要

われわれは,新規の2重基質特異性ホスファターゼMAPKホスファターゼ-7(MKP-7)を見出し,その構造・機能・局在を解析した。MKP-7は,構造および機能の上で,以下のような特徴を有する。
1.特有なMKPドメインを有する。すなわち,ローダネース様ドメインと触媒ドメインをもち,前者にERKおよびp38結合領域としてのKIMモチーフを,後者にJNKおよびERK結合領域としてのδ様ドメインと触媒モチーフを含む。
2.基質特異性は,ERKに対するよりもはるかにp38に対して高く,JNKにはp38よりもさらに高い特異性を示した。
われわれはまた,トウトマイシンについて,その合成中間体や誘導体を用いて構造/機能相関を調べ,阻害活性とアポトーシス誘導能は,同一分子内の互いに異なる部分構造に帰因することを明らかにした。さらにトウトマイシンのアポトーシス誘導には,分子内のスピロケタールが重要な働きをしていることを示唆した。続いて,合成した10種類のスピロケタール化合物を用いて,アポトーシス誘導活性を調べ,スピロケタール化合物の構造とアポトーシス誘導能との相関を明らかにした。さらに,トウトマイシン構造中のスピロケタール部分を欠くトウトマイセチンが,これまでに報告された50種に及ぶホスファターゼ阻害剤の中で,もっとも特異性の高いPP1阻害活性を示すことを見出した。現在これを用いて,情報伝達系に対するPP1作用の解析を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Bettina Linck: "Functional properties of the rat phosphatase 1α promoter"Molecular and Cellular Biochemistry. 223(1-2). 123-129 (2001)

  • [文献書誌] Shinya Mitsuhashi: "Tautomycetin is a novel and specific inhibitor of serine/threonine protein phosphatase type 1, PP1"Biochemical and Biophysical Research Communications. 287(2). 328-331 (2001)

  • [文献書誌] Kouhei Masuda: "MKP-7, a novel mitogen-activated protein kinase phosphatase, functions as a shuttle protein"Journal of Biological Chemistry. 276(42). 39002-39011 (2001)

  • [文献書誌] Nobuhiro Tanuma: "Protein tyrosine phosphatase εC selectively inhibits interleukin-6- and interleukin- 10-induced JAK-STAT signaling"Blood. 98(10). 3030-3034 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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