• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

シャペロニンの機能発現の分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 10480177
研究機関東京大学

研究代表者

桑島 邦博  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70091444)

研究分担者 新井 宗仁  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90302801)
キーワード分子シャペロン / シャペロニン / GroEL / ES / フォールディング / 球状タンパク質 / スタフィロコッカルヌクレアーゼ / GFP
研究概要

本研究は、大腸菌のシャペロニンGroEL/ESの機能発現の分子メカニズムを明らかとすることを目的とする。そのため、ラクトアノレブミン(αLA)、スタフィロコッカル・ヌクレアーゼ(SNase)、グリーン蛍光タンパク質(GFP)などの物理的性質の大きく異なる球状タンパク質の中間体とシャペロニンとの相互作用をストップトフロー蛍光スペクトル法を用いて調べる。αLAについては既に昨年度までの研究でいくつかの成果を上げているが、本年はさらに、SNaseとGFPについての研究を進めた。
申請者の研究室では、SNaseのすべてのプロリン残基を他のアミノ酸に置換し、プロリン異性化の影響のないSNase(-pro)がすでに作られていた。SNase(-pro)にAla69ThrまたはAla90Serの変異を導入した二種の変異タンパク質を作成した。当初、これらの変異体は単一exponentialで巻き戻ると期待されたが、現実には2相的となった。しかし、野生型のSNaseに比べると巻き戻り速度過程が著しく単純化されており、シャぺロニンGroELの作用機構を調べる上でよいモデル標的タンパク質となることがわかった。これらの変異SNaseの巻き戻りの速度過程に及ぼすシャぺロニンGroELの影響をストップトフロー蛍光スペクトルを用いて調べた。その結果、SNaseに対するGroELのモル比が10%程度のところで、今まで知られていた速度過程よりも速い過程が観測された。タンパク質濃度依存の測定から、この過程は1分子過程であることもわかった。
GFPについては、CLONTECH社より購入したプラスミドpGFPよりGFP遺伝子を切り出し、T7プロモータを持った大腸菌プラスミドpSCREEN1-(b+)に接続し大量発現プラスミドを作成した。野生型GFPの塩酸グアニジンによるアンフォールディングを調べたところ、転移領域では反応はほとんど不可逆であった。可逆に巻き戻るGFPを作成するため、現在、いくつかの変異体を作成中である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.P.Terada: "Thermodynamics of nucleotide binding to the chaperonin GroEL studied by isothermal titration calorimetry:evidence for noncooperative nucleotide binding" Biochimica at Biophysica Acta. (1999)

  • [文献書誌] K.Fujiwara: "Folding-unfolding equilibrium and kinetics of equine beta-lactoglobulin:Equivalence between the equilibrium molten globule state and a burst phase folding intermediate" Biochemistry. (1999)

  • [文献書誌] T.Koshiba: "Expression fo a synthetic gene encoding canine milk lysozyme in Escherichia coli and characterization of the expressed protein" Protein Engineering. (1999)

  • [文献書誌] K.Maki: "Effects of Proline Mutations on the Folding of Staphpylococcal Nuclease" Biochemistry. 38. 2213-2223 (1999)

  • [文献書誌] T.K.Chaudhri: "Effect of the Extra N-terminal Methionine Residue on the Stability and Folding of Recombinant alpha-Lactalbumin Expressed in Escherichia coli" J.Mol.Biol.285. 1179-1194 (1999)

  • [文献書誌] M.Mizugushi: "Equilibrium and Kinetics of the Folding of Equine Lysozyme Studied by Circular Dichroism Spectroscopy" J.Mol.Biol.283. 265-277 (1998)

  • [文献書誌] M.Ikeguchi: "Transition state in the folding of alpha-lactalbumin probed by the 6-120 disulfide bond" Protein Science. 7. 1564-1574 (1998)

  • [文献書誌] G.P.Tsurupa: "Refolding Kinetics of Staphylococcal Nuclease and lts Mutants in the Presence of the Chaperonin GroEL" J.Mol.Biol.277. 733-745 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi