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1999 年度 実績報告書

蛋白質中電子移動経路の評価方法の確立と経路マップの作成

研究課題

研究課題/領域番号 10480179
研究機関名古屋大学

研究代表者

垣谷 俊昭  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90027350)

研究分担者 倭 剛久  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90251587)
キーワードトンネル経路 / 蛋白質 / 電子移動 / 水素結合 / スルーボンド / スルーペース / トンネル電流 / 和則
研究概要

今年度は大きな進展があった。蛋白質中の各原子軌道をあらわに考慮して、各原子間を流れる電子トンネル電流を計算し、その原子間電流をつなぐことによって、電子トンネル経路を決定する方法を開発した。この方法をアズリン電子伝達タンパク質に適用した。ドナーは内在する銅イオンであり、アクセプターは種々のアミノ酸残基の位置で遺伝子操作で導入したヒスティディンに配位するルテニュウム錯体である。得られた電子トンネル経路は従来考えられていたものとはかなり異なる。まず、水素結合はほとんど使われない。スルーボンドは最もよく使われるが、スルースペースも比較的よく使われる。全体的な電子トンネル経路の外形はほとんどドナーとアクセプターをつなぐ線上にある。多数のベータストランドを横切らなければ到達できない位置にあるアクセプターにたいしては、スルースペースによってほとんど最短距離をトンネルする。これまで考えられてきたような何ヶ所も分岐してトンネル電流が流れることはなさそうである。また、場所によってトンネル電流の流れやすいところと流れにくいところがあるが、任意の断面を流れる全電流は一定であるので、芳香環のように電流の流れやすいところでは渦電流となって、全体の電流量が一定になるように調節しているようである。また、電流量を決める隘路があれば、そこを遺伝子操作で修飾することにより、電流が良く流れるようになり、電子トンネル移動速度を上昇させることが出来る。今後、電流にたいする隘路を見出す方法を開拓したい。さらにそれを活用して、電子移動速度を自由に調節する方法を確立する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Goto,N. et al.: "Monte Carlo simulation study on the structure and reactions at meta-electlyte interface. II. Mechanism of nonlinear electrode reaction."J. Phys. Soc. Japan.. 68. 3729-3737 (1999)

  • [文献書誌] Yamamoto, S. et al.: "Ab initio MO study on the Potential energy surfaces for twisting around the C11=C12 bond of the ptotonated Schiff base of retinal."THEOCHEM. 461-462. 463-471 (1999)

  • [文献書誌] Kakitani, T. et al.: "Color tuning mechanism of human red and green visual pigments."Photochem. Photobiol.. 70. 686-693 (1999)

  • [文献書誌] Kakitani, T. et al.: "Theory of excitation transfer in the intermadiate coupling case."J. Phys. Chem.. B103. 3720-3726 (1999)

  • [文献書誌] Kimura, A.: "Theory of excitation transfer in the intermediate coupling case."J. Luminescence. (in press).

  • [文献書誌] Kawatsu, T. et al.: "A novel method for determining electron tunneling pathway in proteins."Inorg. Chim. Acta.. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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