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2000 年度 実績報告書

蛋白質フォールディング反応の単一分子測定

研究課題

研究課題/領域番号 10480181
研究機関大阪大学

研究代表者

後藤 祐児  大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (40153770)

研究分担者 柳田 敏雄  大阪大学, 医学部, 教授 (30089883)
キーワード一分子計測 / 蛍光顕微鏡 / 分子シャペロン / GroEL / βラクトグロブリン / β2ミクログロブリン / β2グリコプロテインI / フォールディング
研究概要

本研究では、蛍光標識を導入した蛋白質のフォールディング反応を単一分子レベルで測定することを目的とした研究を実施した。全反射蛍光顕微鏡を用いて、蛍光標識蛋白質を観測することが可能となった。今年度はそれを発展させて以下の成果を得た。
1.アミロイド線維の観察:全反射蛍光顕微鏡を用いて、β2ミクログロブリンのアミロイド線維を単一分子レベルで解析した。まず、C末端にシステイン残基を導入したβ2ミクログロブリンを作製した。次にシステイン残基を蛍光色素テトラメチルローダミンで修飾し、蛍光修飾蛋白質の形成したアミロイド線維を蛍光顕微鏡で観察した。また、アミロイド線維は蛍光色素チオフラビンTと特異的に結合する。チオフラビンの蛍光を用いることによっても、アミロイド線維を単一分子観測できることを示した。
2.βラクトグロブリンとGroELの相互作用:システイン残基を化学修飾したβラクトグロブリンはGroELと結合することを、既に単一分子レベルで示した。相互作用の分子機構を原子レベルで明らかにするために、化学修飾したβラクトグロブリンの構造やダイナミックスを多次元異核種NMRを用いて解析した。修飾部位近傍だけでなく、分子全体の揺らぎが高まっていることを残基レベルで明らかにした。
3.βラクトグロブリンのフォールディング反応:単一分子測定と並行して、平均的測定も進めた。βラクトグロブリンのフォールディング反応を、異種核NMR、高速混合を中心とした手法によって解析した。その結果、反応開始後、数ミリ秒で形成されるフォールディング中間体においては、天然構造に存在するβシートの一部と共に非天然のαヘリックスが形成されていることを、アミノ酸残基レベルで明らかにした。α→β転移がアミノ酸レベルで明らかになったはじめての例である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sakai,Kazuko: "Conformation and stability of thiol-modified bovine β-lactoglobulin."Protein Science. 9(10). 1719-1729 (2000)

  • [文献書誌] Hoshino,Masaru: "High mobility of the phospholipid binding loop of human β2-glycoprotein I domain V revealed by heteronuclear NMR."Journal of Molecular Biology. 304(5). 927-940 (2000)

  • [文献書誌] Kuwata,Kazuo: "Structural and kinetic characterization of early folding events in β-lactoglobulin."Nature Structural Biology. 8(2). 151-155 (2001)

  • [文献書誌] Kuwata,Kazuo: "High pressure NMR reveals a variety of fluctuating conformers in β-lactoglobulin."Journal of Molecular Biology. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] 後藤祐児: "(訳本)タンパク質フォールディングのキネティクス、Bengt Nolting著"シュプリンガーフェアラーク東京. 180 (2000)

  • [文献書誌] 後藤祐児,谷澤克行 編: "蛋白質の分子設計"共立出版. 200 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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