研究課題/領域番号 |
10480182
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30150254)
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研究分担者 |
三原 憲一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (10304164)
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
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キーワード | Staphylococcal nuclease / Photoactive Yellow Protein / 欠損変異体 / 挿入変異体 / 蛋白質折り畳み / 変性構造 / 光反応 / 遺伝子操作 |
研究概要 |
イェロープロテイン(PYP)のC末からの系統的欠損変異体(Δ125、Δ124-125、Δ123-125、Δ122-125)を作成し、その構造、物性、光反応を調べた。全ての変異体は大腸菌に発現することができたが、Δ122-125は、発色団を結合できなかった。他の3変異体は発色団を結合できた。Δ125およびΔ124-125の構造は野生型と同様であるが、Δ123-125は膨潤した構造となっている。欠損数の増加とともに、発色団周辺の構造が不安定になって行き、また全体の構造の熱安定性も徐々に低下した。熱安定性と光反応速度などの関係から、光反応は部分的なアンフォールディング反応とみなせることがわかった。Val122まであればPYPの構造が保持され、Lys123まであれば機能を発揮できる。Arg124は機能を効率的にし、Val125は構造安定性を付与すると判明した。N末の欠損は、構造には大きな影響は与えないが、光反応に影響し、生理機能のために重要であることが示された。 SNaseの系統的なアラニン挿入変異体(31A32、32A33、33A34、34A35、35A36、36A37)を作成した。全ての変異体を発現させ、精製することができた。36A37は、生理的条件下で野生型と同じ構造をとった。32A33、35A36は、野生型の構造とは異なる構造にミスフォールドしており、リガンドを加えても構造には変化がなかった。31A32、33A34は、生理的条件下でコンパクトな変性構造となっているが、リガンド添加により野生型構造まで巻き戻る。34A35は、変性構造をとり、リガンド添加によりミスフォールドする。挿入変異体は、正常な折り畳み能を有するものと、ミスフォールドするものの2通りに分類できる。以上の結果は、4番目のβシートが折り畳み核を形成していることを示唆する。
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