• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

F_1ATPaseの回転触媒機構の構造生物学

研究課題

研究課題/領域番号 10480186
研究種目

基盤研究(B)

研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

白木原 康雄  国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助教授 (20150287)

キーワードF_1ATPase / ATP合成酵素 / 結晶化 / α3β3γ複合体 / α3β3複合体 / 結晶構造
研究概要

F1ATPase(サブユニット構成α3β3γδε、分子量38万)は,呼吸鎖が形成する、膜を隔てた水素イオンの濃度勾配をATPに変換するATP合成酵素の可溶性部分である.γサブユニットのα3β3部分に対する回転により巧妙に制御されるこの酵素の触媒機構を構造の側面から理解するため、F1、α3β3γ、α3β3複合体の種々のリガンド結合状態の構造決定を目指し、今年度はF1、α3β3γについては結晶の改善、α3β3複合体についてはリガンド結合状態の構造決定を行った.
F1、α3β3γ複合体の結晶化は標品純度に大きく依存するので、購入備品高速・高分解能クロマトシステムBioCAD700E・ポロスカラムの併用で、従来より高速に、高純度の標品が得られるようになり、結晶化の再現性が向上した.これに加えて結晶化条件の検討も行い、たとえば添加ヌクレオチドとしてATPγSが有効なこと、結晶の融解を防ぐために従来の15度での結晶化を25度で行うようにすると沈殿剤の種類、最適pHが変わることなどをみいだし、これらは結晶の形状、大きさの向上、結晶の扱いやすさの向上に大きく寄与した.
ヌクレオチド結合型のα3β3複合体構造解析については、12種のヌクレオチドを含む液に浸したα3β3複合体結晶からの回折データを解析した.見かけ上大きな構造変化が期待されたATP、MgADPの場合、結晶内での分子の向きが異なるだけで、そのα3β3複合体自体の構造は他のリガンド浸透型結晶の場合と同様、ヌクレオチド非結合型の場合と比べて殆ど変わらなかった.しかし、詳細に密度分布図を検討すると、全てのリガンド浸透型結晶共通の特徴として、ヌクレオチド非結合型の場合と比べて、リン酸結合性P-loopのリガンド結合性がβサブユニットで弱くなっていることが浮かび上がってきた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 白木原 康雄他4名: "F_1-ATPase α3β3複合体のヌクレオチド結合型の構造解析" 生物物理. 38. 5106 (1998)

  • [文献書誌] 白木原康雄: "ATP合成酵素" 蛋白質・核酸・酵素、構造生物学のフロンティア. 44.4. 538-545 (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi