研究概要 |
1、tom2変異を相補するDNA断片を同定する実験を行い、tom2変異がTOM2A,TOM2Bと命名した独立の2遺伝子の欠損によることを明らかにした。cDNAクローニングの結果、TOM2Aは4回膜貫通蛋白質と予想される産物をコードしていることが明らかになった。現在変異の相補を指標にTOM2B遺伝子の同定を急いでいる。 2、TOM1,TOM2A蛋白質の細胞内局在性を決定するため、あるいはそれらの機能を解明するために、それらに対する抗体を作製した。先ず、各蛋白質の全長を大腸菌内で発現させることを試みたが、不成功であった。そこで、各遺伝子の部分断片の発現を試み、TOM2AのC末端側約100アミノ酸に対応するポリペプチドの発現に成功した。さらに、これに対する抗体を作製し、現在植物におけるTOM2A遺伝子産物の検出を試みている。TOM1に関しては、そのC末端16アミノ酸に対応する合成ペプチドに対する抗体を作製した。合成ペプチドに対する抗体価はあがったが、植物においてTOM1の存在を示すことはできていない。 3、植物におけるTOM1,TOM2Aの機能を明らかにすることを目的に、カリフラワーモザイクウイルス35SRNAプロモーター下流にTOM1,TOM2A遺伝子のコード領域を挿入した遺伝子カセットを野生型植物に導入した。現在、それぞれについて過剰発現が起きた植物、コサプレッションにより発現抑制が起きた植物を検索している。
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