研究課題/領域番号 |
10480192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武田 俊一 京都大学, 医学研究科, 教授 (60188191)
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研究分担者 |
八木 孝司 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80182301)
岩井 裕子 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (10281726)
高田 穣 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30281728)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | DNA相同組換え / Rad51 / DT40 / DNA修復 |
研究概要 |
(1)Rad51ファミリーのニワトリ対応遺伝子をすべて単離しターゲティングコンストラクトを作成してジーンターゲティングを行い、5種類のRad51ファミリーすべてのミュータント細胞株を樹立した。これらの細胞株は以下の諸点においてほぼ同一の表現型を示した。すなわち、増殖の著明な緩徐化、死細胞の増加、染色体断裂の増加、ジーンターゲティング効率の極度の低下、sister chromatid exchange(SCE)出現頻度の低下、シス・MMCなどクロスリンカーに対する高感受性、ガンマ線に軽度感受性などである。ヒト・マウスの対応遺伝子の導入によって、調べ得た範囲で少なくともγ線・シスの感受性や死細胞数増加などの表現型が抑制された。したがって、Rad51ファミリーの各遺伝子は高等真核生物のHR分子機構に必須であり、染色体安定性やDNAクロスリンク修復において重要と考えられる。興味深いことにシスやγ線に対する感受性はヒトRad51を強制発現させることで部分的ではあるが正常化した。 (2)DT40のミュータント細胞においてRad51ファミリーのおのおののヒトあるいはマウスのcDNAを導入すると、野生型のDT40よりシスに対してより耐性になるという現象が見られた。そこでヒト肺ガン細胞株SBC3にヒトRad51BやRad51Cの強制発現を試みた。タグ付きのコンストラクトをトランスフェクトしウェスタンを行ったが、明瞭な発現を示すクローンを得ることができなかった。このファミリーの遺伝子が強発現すると細胞死が誘導される可能性がある。 (3)シス処理等によるDNAダメージ後核内には抗Rad51抗体で明瞭に検出されるフォーカスが形成される。NERに必須なERCC1分子とXPA分子はそれぞれヒト患者から樹立された欠損細胞株があるが、特に前者でインターストランドクロスリンクに感受性が高いとされている。ERCC1はDNA損傷の5'側にニックを入れるエンドヌクレアーゼを構成するサブユニットであり、出芽酵母の対応するタンパクはある種のHRに関与することが知られている。そこでこれらの欠損細胞株でシス処理後のRad51フォーカス形成をアッセイしたが、フォーカスは特に問題なく形成された。 (4)上記Rad51ファミリーのミュータント細胞におけるRad51フォーカス形成をMMC、γ線による処理後にアッセイした。各ミュータント細胞においては野生型とは異なり、フォーカスの大きさ輝度とも極度に低下して明瞭なフォーカス形成が消失していると考えられた。 (5)HRとNERのダブルノックアウト株作成のため、ニワトリのERCC1とXPAの単離を試みた。XPAはすでにcDNA配列が報告されており、ゲノムDNAの分離も容易であったが、ERCC1はcDNAはとれたもののゲノムの単離に難渋している。ライブラリースクリーニングを行う予定である。XPAは現在ターゲティングコンストラクトを作成し、トランスフェクションを行っている。
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