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1998 年度 実績報告書

信号伝達性膜蛋白gp130を介したサイトカインの機能と作用機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10480198
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

田賀 哲也  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40192629)

研究分担者 中島 欽一  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80302892)
松尾 律子  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00126260)
加藤 博明  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (10152737)
キーワードサイトカイン / gp130 / 神経幹細胞 / 分化 / ニューロン / アストロサイト / STAT3 / キナーゼ
研究概要

〈gp130刺激性サイトカインについて〉
(1) gp130の神経系での機能を解析するために、同分子を欠損したマウスを用いた実験を行った。gp130欠損胎仔由来後根神経節ニューロン、in vitro培養系において、IL-6ファミリーサイトカイン添加による生存維持促進作用が完全に消失していた。また、終脳未分化神経上皮細胞のin vitro培養系において通常観察されるLIF添加後のアストロサイト分化が、gp130欠損により全く誘導できなかった。
(2) 組織学的解析により、gp130欠損マウスでは胎生185日において後根神経節細胞や脊髄前角運動神経細胞などが対照と比べて有意に減少していた。
(3) 神経幹細胞を含むと考えられる終脳未分化神経上皮細胞をアストロサイトに分化させるin vitroの培養系において、これまで報告のなされていなかったIL-11によるアストロサイト分化誘導能を見出すことができた。
(4) 未分化神経上皮細胞の短期間培養系を開発した。この系では従来報告されているようなLIFやBMP2の単独添加によるアストロサイトへの分化を誘導できないことを示した。両因子の同時添加が劇的なアストロサイト分化を生じさせることがわかり、2つの異なるサイトカインシグナのクロストークが存在することをあきらかにした。
<gp130を介したサイトカインの作用機序について>
(1) gp130刺激後の細胞内シグナルの主経路の一つは転写因子STAT3のチロシンリン酸化による活性化である。STAT3の完全な活性化にはその分子内セリンリン酸化が関与することが報告されている。まずセリンリン酸化STAT3特異的抗体を作成し、それを利用して発現型ライブラリーからSTAT3セリンキナーゼの候補を3種類得た。それらの性状については順次解析中であるが最初に解析に着手したキナーゼ種についてはCOS7細胞を用いたトランジェントの高発現系においてSTAT3のセリン残基のリン酸化を確認した。生理的条件下でのこれら候補キナーゼの役割を解析予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] X.J.Wang,T.Taga,K.Yoshida,M.Saito,T.Kishimoto,and H.Kikutani.: "gp130,the cytokine common signal-transducer of interleukin-6 cytokine family,is down-regulated in T cells in vivo by interleukin-6." Blood. 91. 3308-3314 (1998)

  • [文献書誌] N.Nyui,K.Tamura,K.Mizuno,T.Ishigami,M.Kihara,H.Ochiai,K.Kimura,S.Umemura,S.Ohno,T.Taga,and M.Ishii.: "gp130 is involved in stretch-induced MAP kinase activation in cardiac myocytes." Biochem.Biophys.Res.Commun.245. 928-932 (1998)

  • [文献書誌] K.Nakashima,and T.Taga.: "gp130 and the IL-6 family of cytokines:signaling mechanisms and thrombopoietic activities." Semin.Hematol.35. 210-221 (1998)

  • [文献書誌] C.Dani,I.Chambers,S.Johnstone,M.Robertson,B.Ebrahimi,M.Saito,T.Taga,M.Li,T.Burdon,J.Nichols and A.Smith.: "Paracrine induction of stem cell renewal by LIF-Deficient cells:A new ES cell regulatory pathway." Dev.Biol.203. 149-162 (1998)

  • [文献書誌] M.van der Meyden,J.Gage,E.C.Breen,T.Taga,T.Kishimoto,and O.Martinez-Maza.: "IL-6 recertor(CD126'IL-6R')expression is increased on monocytes and B lymphocytes in hiv infection." Cell.Immunol.190. 156-166 (1998)

  • [文献書誌] U.A.K.Betz,W.Bloch,Mareis van den Broeck,K.Yoshida,T.Taga,R.Zinkernagel. T.Kishimoto,K.Addicks,K.Rajewsky,and W.Muller.: "Postnatally induced inactivation of gp130 in mice results in neurological,cardiac,hematopoietic,immunological,hepatic and pulmonary defects." J.Exp.Med.188. 1955-1965 (1998)

  • [文献書誌] K.Yoshida,T.Taga,M.Saito,A.Kumanogoh,T.Tanaka,K.Ozono,M.Nakayama,T.Nakahata,N.Yoshida,and T.Kishimoto.: "Contemporary Immunology:Cytokine knockouts." Humana Press Inc.社(S.K.Durum and K.Muegge編)(分担執筆), 259-286 (1998)

  • [文献書誌] T.Taga,and A.Kumanogo.: "Leucocyte Typing VI" Garland Publishing Inc.社(T.Kishimoto et al.編)(分担執筆), 1199-1200 総ページ1342 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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