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1998 年度 実績報告書

自食作用の分子細胞生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 10480202
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

大隅 良典  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30114416)

研究分担者 大隅 萬里子  帝京科学大学, バイオサイエンス学科, 助教授 (40168927)
鎌田 芳彰  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (20291891)
野田 健司  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (00290908)
吉森 保  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (60191649)
キーワード酵母 / 液胞 / 自食作用 / タンパク質分解 / タンパク質結合反応 / 栄養飢餓 / APG遺伝子
研究概要

自食作用は全ての真核生物に普遍的な生理応答であり、その機構と生理的な役割の解明は細胞の理解に重要な意義を持つ。申請者は酵母をモデル系としての遺伝学的な手法を世界に先駆けて、この分野に導入した。自食作用不能株を系統的に分離し、それらの解析を進めてきた。さらに分子生物学的な解析を進め既に16個の遺伝子をクローニングしそのうち14個の遺伝子について同定を完了した。これらAPG遺伝子はいずれも新規の遺伝子であり、そのアミノ酸配列から単純に機能を推定し得るものではなかった。本研究はこれまで研究室で蓄積してきたこれらAPG遺伝子産物の機能を明らかにすること通じて自食作用の解明を目的としている。
1. Apg8pは興味深いプロセシング反応によって活性型になり、栄養飢餓に伴ってオートファゴソームに局在する分子であることが明らかとなった。Apg8pは栄養飢餓に伴って著しく発現が誘導される。このタンパク質がオートファゴソーム形成の重要な指標タンパク質となることが期待される。
2. Apg群の中で4つの遺伝子が新規のタンパク質結合反応に関与していることが明らかとなった。すなわちApg12pはユビキチンと相同性のない186アミノ酸からなるが、C-末端Gly残基がApg5pの中央のLys残基にイソペプチド結合で共有結合で連結される。この反応はユビキチン系と同様にE1,E2としてApg7p,Apg10pに依存している。この結合反応はオートファゴソームの形成過程に必須である。
3. Two hybrid系による解析からApg1タンパク質キナーゼと相互作用する因子としてApg13pの他に新規にApg17p,Cvt9pが同定された。これらの因子はキナーゼ活性の制御を通じてApg,Cvt経路のスイッチとして機能していることが推定される。
4. Apgpに対する特異的抗体を系統的に調製し、細胞内複合体形成、細胞内局在の解析の準備が整った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Noda,T.et al: "Tor,a phosphatidylinositol kinase homologue,controls autophagy in yeast." J.Biol.Chem.273. 3963-3966 (1998)

  • [文献書誌] Kametaka,S.et al: "Apg14p and Apg6/Vps30p form a protein complex essential for autophagy in the yeast,Saccharomyces cerevisiae." J.Biol Chem.273. 22284-22291 (1998)

  • [文献書誌] Mizushima,N.et al: "A novel protein conjugation system essential for autophagy." Nature. 395. 395-398 (1998)

  • [文献書誌] Mizushima,N.et al: "A New Protein Conjugation System in Human.The counterpart of the yeast Apg12p conjugation system essential for autophagy." J.Biol.Chem.273. 33889-33892 (1998)

  • [文献書誌] Klionsky,D.J.et al: "Vacuolar import of proteins and organelles from the cytoplasm" Ann.Rev.Cell Devlop.Biol.12(in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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