研究課題/領域番号 |
10480219
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
和中 明生 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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研究分担者 |
森 徹自 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30285043)
横屋 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (00045642)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | Bcl-2ファミリー / DP5 / Harakiri / アポトーシス / 筋萎縮性側索硬化症 / amyotrophic lateral sclerosis |
研究概要 |
我々は神経細胞のアポトーシスモデルにおいて発現誘導される遺伝子としてDP5遺伝子を同定し、その構造機能を解析してきている。DP5はアミノ酸92個よりなる蛋白をコードし、その中央部にBcl-2ファミリーメンバー間で保存されているBH3ドメインを有する。DP5遺伝子は発生過程神経系に比較的限局して発現し、その局在は運動神経細胞や感覚神経節細胞などいわゆるプログラム細胞死を起こすことで知られている細胞群で、また時期も合った状態で局在していることが明らかとなった。また成熟神経系では発現自体はレベルが低いもののある特定の神経細胞に局在していた。マウスにおいて前脳虚血を作成し、その後の発現を検討したところ一過性に発現が上昇していた。次にDP5の構造的な特徴と細胞死誘導機能の相関を検討する目的で我々はDP5遺伝子を培養細胞に導入することを試みた。結果は明かにDP5を導入した細胞群で細胞死が誘導された。またその形態学的特徴はTUNEL染色陽性で核濃縮を伴うアポトーシスの特徴を示していた。ヒト筋萎縮性側索硬化症の剖検例2例において脊髄前角の運動神経細胞にDP5mRNAと蛋白の発現が観察された。脳虚血で死亡した症例の脊髄前角には同様な発現は観察されなかったため上記のDP5の発現は神経細胞の変性に何らかの役割を担っている可能性がある。BH3ドメインを有する蛋白はいずれも細胞死誘導効果があるが、最近これらの蛋白の細胞内局在が機能制御に重要な役割を担っていることが報告されている。DP5も他の蛋白と相互作用することにより細胞内局在を変化させている可能性を考え、Yeast Two Hybrid法を用いて検索を行った。3種類の陽性クローンが得られ、そのうちの一種類であるhnRNPは哺乳類細胞に共発現させた場合もDP5と相互作用することが明らかとなった。
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