研究課題/領域番号 |
10480234
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
森脇 和郎 総合研究大学院大学, 副学長 (50000229)
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研究分担者 |
山口 泰典 宮崎医科大学, 動物実験施設, 助教授 (60191243)
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 系統生物センター, 教授 (90171058)
颯田 葉子 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (20222010)
米川 博通 東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (30142110)
松田 洋一 北海道大学, 理学部・染色体研究施設, 教授 (70165835)
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キーワード | 野生マウス / マイクロサテライトDNA / ミトコンドリアDNA / マウス亜種グループ / ヘモグロビン / 骨格形成遺伝子 / 修飾遺伝子 / リボソーム蛋白遺伝子 |
研究概要 |
平成11年度科学研究費基盤研究(B)(1)報告書 ひとつの変異遺伝子が進化遺伝学的に隔たりを持つ遺伝的背景の中に置かれた時にはその影響が大きい。本研究では、我々がこれまでに示してきたアジア産野生マウスの遺伝的な位置付けを新しい分子遺伝学的手法で確認するとともに、実験用マウスと大きな隔たりをもつこれらのマウスの遺伝的背景中にある修飾遺伝子を特定することを試みた。 主な研究成果:(1)Dom, Cas, Musの3亜種グループから育成した近交系8系統について50座位のマイクロサテライトDNAの塩基配列をキャピラリー・シーケンサーによって分析し、系統間の遺伝距離を計算した。また。ミトコンドリアDループDNA塩基配列変異とマイクロサテライトDNA変異とが比例することも確かめた(米川、山口、颯田、森脇)。(2)北海道産野生マウスはCas型ミトコンドリアDNAを持つが、今回Mus型を持つものが道南に分布することがわかった。しかし、Sry遺伝子は全てMus型であった(鈴木)。(3)北海道および島根産野生マウスとA系統とのF1におけるウレタン誘発肺腫瘍結節は平均4個であった(宮下)。(4)FISH分析の結果、Minor satellite DNAの染色体上の分布には亜種グループ間に差異はなかった。5S rRNA遺伝子は全ての亜種グループで第8染色体上にあるが、Mus型亜種のみはY染色体上にも分布していた(松田)。(5)インド産Cas亜種グループマウスを系統化しF21に達したのでMYS/M z系統と命名したが、この系統ではPep3遺伝子欠損している。また、カザフスタン産野生マウスに新しいHbb変異を見出し、仮にHbb-wkと名付けた(土屋)。(6)骨格形成異常Ts遺伝子を日本産野生由来MSM系統の遺伝的背景に入れると表現型が大きく変化するが、この修飾遺伝子がリボソーム蛋白遺伝子Rpi38であることを明らかにした(城石)。
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