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1998 年度 実績報告書

虚血・再灌流不整脈の非線形ダイナミクスと心筋細胞死

研究課題

研究課題/領域番号 10480240
研究機関北海道大学

研究代表者

河原 剛一  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (20125397)

研究分担者 米山 満  三菱化学(株), 横浜総合研究所, 主任研究員
高橋 英嗣  山形大学, 医学部, 助教授 (30206792)
山内 芳子  北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50230313)
中村 孝夫  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (00142654)
キーワード虚血 / 再灌流 / 心筋細胞 / 拍動リズム / 細胞死
研究概要

冠動脈の閉塞に基づく心虚血によって、心筋細胞に対する酸素およびエネルギー基質の供給が低下し、さらに心筋代謝産物の貯留による細胞内環境の変化の結果、心筋細胞は死滅する。虚血による心筋細胞の不可逆的傷害機構を明らかにすることは、臨床的にも病態生理学的にも重要な課題である。従来病理学的には典型的なネクローシスと考えられてきた虚血性心疾患時における心筋細胞死に、能動的細胞死であるアポトーシスが関与していることが心筋梗塞患者の剖検心や虚血・再潅流動物実験モデルにおいて明らかにされてきた。
本研究は、虚血・再潅流時における心臓拍動リズムのダイナミクスの変化と心筋細胞死との関連を解析することから、虚血性心疾患に伴う致死性不整脈の発生メカニズムを解明することを目的としている。本年度は、新生ラット心筋細胞の培養系を実験対象とし、心筋細胞死とくにアポトーシスの誘導機構に関する研究を実施した。その研究成果は、以下の3点にまとめられる。1.培養液から血清を除去することによって、心筋細胞特異的な細胞死が誘導された。その細胞死は、形態学的特徴からアポトーシスとは考えられないが、明らかにネクローシスとも異なっていた。
2.新規タンパク質の合成を阻害すると、心筋細胞の拍動リズムが不安定になり、その後拍動は停止した。拍動停止の後に、細胞体の縮小が起こり、クロマチンの凝縮や粒状断片化を伴ったアポトーシス様心筋細胞死が生じた。
3.2の細胞死は、カスパーゼ-3の活性化を阻害することで抑制された。現在、以上述べた心筋細胞死のシグナル伝達機構の同定を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山内芳子 他: "単離心筋培養系を用いた生体振動子のゆらぎとダイナミクスの解析" 生体生理工学シンポジウム論文集. 13. 433-436 (1998)

  • [文献書誌] H.Sato 他: "Glutamate-induced neurotoxicity and intracellular calcium homeostasis in neurons." Neuroscience Research. Suppl.22. S136 (1998)

  • [文献書誌] 堀 淳二 他: "ニューロン・グリア共培養系における細胞外グルタミン酸負荷による神経細胞死" 電子情報通信学会技術研究報告. MBE97-154. 79-84 (1998)

  • [文献書誌] 畠山善幸 他: "幻肢誤局在を示した下腿切断の一例" 日本義肢装具学会誌. 14. 217-222 (1998)

  • [文献書誌] 佐藤秀臣 他: "ニューロン・グリア共培養系における細胞内カルシウム上昇によるニューロン死" 電子情報通信学会技術研究報告. MBE98-27. 7-12 (1998)

  • [文献書誌] 中村孝夫 他: "マイクロニューログラム法によるラット座骨神経内交感神経活動の計測" 生体・生理工学シンポジウム論文集. 13. 31-34 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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