研究概要 |
平成10年度に設計・試作したポンプを用いて模擬回路内での水回し試験を行い,軸なしインペラー(フリーインペラー)の安定性・ポンプ単体としての水力学的特性やポンプ効率等を調べた。これらの結果から,試作機の左心室補助ポンプとしての水力学的性能はほぼ満足できるものであったが,より高いインペラーの安定性とポンプ効率を追求する目的で,インペラーの羽根形状を若干変更し,直線型と曲線型の2種類の羽根形状を有するインペラーを新たに試作した。また,ポンプ運転用の専用コントローラーを高谷節雄教授のもとで作成した。また,これらの改良型ポンプとコントローラーを用いて水力学的特性やポンプ効率等のテスト,およびin vitroでの溶血試験を再開した。さらに羊・子牛等の中型動物を用いて,上行大動脈や下行大動脈送血に適する送血管・左室心尖部脱血や左房脱血などの脱血部位毎に最適となる脱血管等の選択,といったfitting study,短時間のin vivo でのポンプ性能等の急性実験を開始した。平成12年度は,ひきつづきin vitroでのポンプ性能の評価を行うと同時に,急性動物実験も継続しポンプのfitting studyや溶血・血栓形成など,血液接触を主体とした生体適合性の評価を行う予定である。
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