研究概要 |
平成11年度に試作したポンプを用いて,模擬回路内での水回し試験および新鮮羊血を用いた溶血試験を行った。溶血試験では,試作ポンプは極めて低い溶血特性を示し動物実験に十分使用可能であると判断された。この結果は平成12年9月7-9日に行われた第8回International Society for Rotary Blood Pump(Aachen,Germany)で発表した。しかし,この実験ではインペラーとポンプのボトムケーシングの間隔を調整するためのインペラー下面のtripodが長時間の駆動で摩耗することが判明したため,現在主に以下の3点についてシステムの改良が必要を行っている。1)駆動用装置マグネットとインペラーマグネットのカップリング距離を拡大しtripodにかかる負荷を軽減する。2)インペラー下面の支持構造をモノピボットベアリングに変更する。3)インペラー上面の羽根形状を変更して3枚の羽根の上部にtripodを埋め込み,カップリング距離拡大によるインペラー浮上の際にもポンプケーシング上面と滑らかに接触できるようにする。平成13年度には,これらの改良が終わり次第,水力学試験,溶血試験を再開し,さらに羊・子牛等の中型動物を用いたfitting study,急性埋め込み実験を移行したい。
|