研究課題/領域番号 |
10490001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹田 正直 北海道大学, 教育学部, 教授 (80000636)
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研究分担者 |
池田 均 北海学園大学, 経済学部, 教授 (20212780)
石井 寛 北海道大学, 農学部, 教授 (10002057)
所 伸一 北海道大学, 教育学部, 助教授 (50133682)
嵯峨山 積 北海道立地質研究所, 主任研究員
奥田 仁 北海学園大学, 経済学部, 教授 (50244835)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | サハリン州 / 社会・経済構造の変化 / 石油・ガス開発 / 人口と労働力数 / 農林業・漁業の危機 / 人材養成 / 大学改革 / 職業専門教育 |
研究概要 |
本研究は、ソ連崩壊後サハリン州の社会・経済構造の変化とそれにともなう人材養成、大学改革の課題を分析することを目的とした。 第1に、サハリン州の住民形成を歴史的に解明した。また、旧ソ連時代には賃金優遇措置により人口と平均寿命が増加していたが、優遇が廃止されて人口は10年間で13%減少(全国では1%減少)した。平均寿命は1995年から再上昇しはじめた。 第2に、物質的にも資金的にも、人材的にも準備のないままでの性急な市場経済化によって、工鉱業、農林漁業などあらゆる分野で1995年にかけて生産量が急落した。とくに石炭、林業、建設、漁業の減少が激しい。 第3に、1996年からロシア、米国、日本の合弁企業によるサハリン北東部の石油・ガス開発の数兆円の投資、採油、輸出の開始、2万5千人の雇用の創出、アメリカ村の建設などの影響で、一部を除いて、食品工業を中心に多くの分野で生産量は上昇に転じた。約430万円平均の銀行預金の増加もみられる。 第4に、林業管理は低水準であるが、園芸分野の都布周辺小零細経営の一定の発展もみられる。農民経営(フェルメル)は予想外に低調であるが、別荘農園(ダーチャ)を中心に住民経営が急成長していることは注目される。 第5に、地質分野ではサハリン州の石油を埋蔵する北海道とサハリンの新第三紀層序を解明し、第四紀(人類紀)の地殻変動や海水準変動の解明へ多大な貢献をした。 第6に、サハリン州は、市場経済と自由化の下で進学率が急増し1大学から98年には9大学になり、外国語とビジネス分野が増加した。最大の教育大学は、地域の経済構造の変化を反映し、経済・東洋学部や工学部、総合技術学部などをもつ総合大学に再編した。
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