研究分担者 |
山中 佳子 東京大学, 地震研究所, 助手 (30262083)
古村 孝志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80241404)
菊地 正幸 東京大学, 地震研究所, 教授 (20046147)
武尾 実 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00197279)
井出 哲 東京大学, 地震研究所, 助手 (90292713)
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研究概要 |
4年の研究期間でもマグニチュード(M)3から5程度の中小地震ならば複数の発生が期待される群発地震地域として伊豆半島伊東沖を選んで棚密な強震観測を実施し,これら中小地震の詳細な震源過程を通してその背後ある物理法則を明らかにして,強震動生成の機構を地下構造との関係も含めて解明することを目的に研究を行った.しかし,直前の活動期1998年3月〜6月から4年間が経過したにもかかわらず,これまでの例に反して伊豆半島伊東沖では新たな群発地震活動は起こらなかった.そこで2000年6月より,二宅島の噴火活動に伴って群発地震活動が発生した伊豆諸島北部地域も観測地域に含め,ここにおける機動強震観測によってM5.0以上36地震,そのうちM6.0以上が5地震という非常に多数の中規模地震の強震記録を得ることができた. 群発地震活動のなかった伊豆半島伊東沖では,本研究開始の直前に発生した1998年5月3日伊豆半島東方沖地震(M5.7)を取り上げ,関東平野で各機関により展開された強震計384台がとらえた波形記録を解析した.その結果,伊豆・相模湾方面の横ずれ断層型地震では,ラブ波と呼ばれる表面波がやや長周期の強震動を支配し,その生成と伝播は関東平野の三次元的な地下構造の影響を強く受けることが明らかになった.一方,三宅島噴火による群発地震の観測記録に対しては,地震メカニズムのモーメントテンソル逆解析や地下構造のトモグラフィー解析を行い,活動地域における地震メカニズムの時間・空間的な変化や,地震波の減衰に関する構造モデルなどが明らかになった.このほか,三宅島の火口陥没に伴う地震動の解析により,火口直下ではゆっくりした膨張と,シングルフォースで表現されるメカニズムが発生していたことがわかった.
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