研究課題/領域番号 |
10490012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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研究分担者 |
山本 啓之 聖マリアンナ医科大学, 講師 (30182645)
守屋 哲博 九州大学, 医学部, 助手 (10140790)
那須 正夫 大阪大学, 薬学部, 教授 (90218040)
千浦 博 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (00103698)
岡見 吉郎 東京大学, 微生物化学研究所, 副所長 (90160704)
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キーワード | 培養不能 / 細菌 / 水界 / 検出 / VBNC |
研究概要 |
本研究では研究費を6つの研究グループに分配し、培養不能細菌に関する研究を総合的に進めている。これまでの到達点は以下のようである。 1.E.coli, Lesionella xxxx, Pseudomonas putida, Vibrio choleraeなどを用いてマイクロコズム中での菌の生残を調べるとともに、それに応じてこれらの菌が「培養できないが、生理活性を維持している生理状態」つまりViable but Nonculturable(VBNC)の状態に陥る様相を調べた。この結果、VBNCへの移行はこれらのグラム陰性細菌の一般的な現象であることが明らかになった。次いで主にVibrio choleraeを用い、VBNCから通常の生理状態への復帰の条件およびその遺伝子レベルでの解析を行っている。この復帰の条件は必ずしも再現性の高い現象ではなく、株による差もあるために、まだ有効な系を模索中の段階にある。 2.培養を用いない遺伝子レベルでの解析により、天然水界中から上記の菌を直接検出、計数する試みを行ってきた。この結果、例えばE.coli O-157:H-7については蛍光光抗体法、毒素遺伝子のin situ PCR法による増幅、検出法などを組み合わせることにより、従来の培養法で得られた数字よりはるかに高い計数値(10^<3-4>/ml)が得られることが明らかになった。 以上の結果より、VBNCに陥るのはグラム陰性細菌に一般的な特徴であること、さらにこれらの菌が極めて普通に水界中に分布していることが明らかになった。今後、VBNCの生理状態についての解析、その復帰条件、天然の菌のその可能性について検討を進める予定である。
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