研究課題/領域番号 |
10490014
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
磯谷 孝 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (50014452)
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研究分担者 |
高橋 清治 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30126106)
亀山 郁夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00122359)
渡辺 雅司 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90133214)
鈴木 義一 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (40262125)
富田 武 成蹊大学, 法学部, 教授 (10207607)
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キーワード | ソヴィエト / ソ連 / スターリン体制 / アヴァンギャルド / ロシア革命 / 戦時体制 / 共産党 / 第一次世界大戦 |
研究概要 |
ソヴィエト史のアルヒーフ史料が広く公開されるようになってから、すでに10年以上が経過した。この間、新しい文書史料に基づいた研究が次々と登場したが、富田武「中国革命とモスクワ1924-27年-ロシア公文書館史料を手がかりに」(『成蹊法学』第49巻)もその1つである。この論文は、「ロシア国立社会政治史文書館」所蔵のコミンテルン関係の資料に基づいて、中国革命に対するソ連共産党中央の政策と、その決定過程について分析を行っている。この研究は、両大戦間期の他国の革命・開放運動とソ連共産党との関係について新しい問題を提起しており、今後当該時期のコミンテルンの研究はさらに進展することであろう。 鈴木義一「ソ連における計画化の源流とその思想」(『土地制度史学』別冊)は、同じく「ロシア国立社会政治史文書館」の、初期の人民委員会議関連の資料の一部を用いた研究である。この論文はまず、その他の資料も用いつつ、二月革命後に成立した臨時政府とソヴィエト政権初期の経済政策を比較しつつ、国民経済の計画化の理念とその実現をめざす試みを分析している。続いて、ソヴィエト政権の下での計画化の理念の展開過程を五ヵ年計画までについて跡づけるとともに、そうした試みの源流として、第一次世界大戦の戦時動員体制の経験と、実証主義的な設計主義の思想をとくに指摘した。したがって、近年多面的に進められてきた、戦時動員体制の研究の中に位置付けることができる。 亀山郁夫『あまりにロシア的な。』は、広範なテーマをコラージュ風に論じた著作であるが、その中ではロシア・アヴァンギャルドについての新しい論考が散りばめられている。
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