研究課題/領域番号 |
10490022
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小長谷 一之 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (50225463)
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研究分担者 |
小玉 徹 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (00170267)
松澤 俊雄 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (80113059)
植田 政孝 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (30067855)
長尾 謙吉 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (50301429)
藤井 輝明 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (00209008)
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キーワード | 都市構造 / 財政問題 / 交通政策 / 住宅政策 / IT産業 / 関西都市圏 / 大阪 / サンフランシスコ |
研究概要 |
本研究は、1990年代以降の英語圏(英米加)都市における新産業集積と都市再生戦略の成果を、わが国大都市圏、特にスタッフらの主たる関心のある大阪大都市圏の現状に対比させ、比較研究をおこなうことを目的とした。小長谷一之、長尾謙吉は、アメリカ合衆国の都心に、ソフト系IT産業の集積地が多数出現している点に着目し、平成11年度にニューヨーク市のソーホー地区(シリコンアレー)とサンフランシスコ市のソーマ地区(マルチメディアガルチ)の調査を行い、『マルチメディア都市の戦略-シリコンアレーとマルチメディアガルチ』にまとめた。植田政孝は、11年度のアメリカ合衆国のシリコンバレーの調査研究成果をふまえて、大阪市における新しい都市政策のキーとなるIT産業振興に関する研究をまとめた。松澤俊雄は、英国やわが国の都市交通政策の分析をまとめ、学会発表をおこなった。小玉徹は、11年度のイギリス・ロンドン大都市圏の調査研究の結果、大都市圏における新しい住宅政策の動向をとりまとめた。藤井輝明は英国(レディング大学)に出張し、英国における大都市圏の都市経済問題をまとめる予定である。 このような知見をふまえて、大阪(京阪神)都市圏の将来像を考える場合に、サンフランシスコ・ベイエリア大都市圏は、その郊外に、シリコンバレーを含み、多くの点で我々の示唆に富む目標であると考えられる。中心都市人口78万人、ベイエリア都市圏全体の人口は660万人で、いずれも大阪大都市圏の3分の1程度であるが、全米一の高所得地域、全米のベンチャーキャピタルの大半を占有し、新産業振興という点でモデルとなる地域であると考えられる。ここから考えられる方向として、大阪(京阪神)都市圏は、郊外が研究機関を中心としたシリコンバレー型開発、都心はIT系産業を中心としたシリコンアレー型開発が適しているということが考えられる。 最終的には、英米加都市とわが国の大都市圏を対比させることによって、財政問題、交通問題、住宅問題、産業問題、都市経済、都市構造などの観点から最終的な結論を出し、比較研究『大都市圏再編の構想』(東京大学出版会)を出版する計画である。
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