研究課題/領域番号 |
10490026
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
三浦 永光 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20045842)
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研究分担者 |
大島 美穂 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (20203771)
加納 弘勝 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20214497)
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40055322)
三澤 健宏 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (20297112)
杉崎 京太 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (80245993)
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キーワード | 森林破壊 / 砂漠化 / 都市環境 / EU / 環境政策 / 環境法 / 目的合理性 / 環境倫理 |
研究概要 |
本研究プロジェクトは、環境問題を国際関係学の視点から学際的に、地域の視点を重視して再検討することを目的に計画されたものであった。当該研究期間において、内外の環境問題に対する資料の検討、並びに国内研究者との討論を通じて得られた知見を、研究代表者及び研究分担者の研究成果を通じて指摘すると以下の通りである。 (1)国際政治学、国際法の分野において、環境問題の発生と個々の現実的対応を通じて、既成の研究枠組み自身が問い直される状況が生じており、それは双方の研究領域がアプリオリに前提とする国民国家の枠組みへの再検討という形を取っている。(南・大島)(2)国際経済学においても同様の状況が指摘でき、この分野では資本主義経済が基盤とする発展の論理への疑念が論理的には問われている。(杉崎)(3)さらに社会思想の分野でも、生活の豊かさや発展の意味を問い直し、新たな共同体論を構築する視点の登場を指摘できる。(三浦・北見)(4)ただし、既成の枠組みが未だ共通認識として弱体な国際社会学においては、こうした問い直しが生じる以前の段階として、地域研究の成果の積み重ねが必要とされる状況にある。(小倉・加納・三澤)(4)しかしながら、各地域の状況は必ずしも前述の学問分野の指摘が均等に反映されるものではなく、特に先進諸国、フランスやイギリス、北欧諸国では(2)(3)の問題提起が緑の党や環境NGOなどを通じて行われており、また北欧では(1)の問題への実践も始められている。(5)他方、途上国ではアフリカ、中近東、南米において各社会個別の環境問題が、各々の社会矛盾や地域の特殊性を反映しする中で、様々な対応が試みられているが、現状への改革までには至っていない状況である。 なお、研究成果の詳細は、本研究報告書として津田塾大学よりまとめられたが、近々さらに手を加えたものを出版の予定である。
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