研究課題/領域番号 |
10551012
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
森田 洋司 大阪市立大学, 文学部, 教授 (80086181)
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研究分担者 |
添田 晴雄 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (30244627)
滝 充 国立教育研究所, 室長 (50163340)
秦 政春 大阪大学, 人間科学部, 教授 (20117047)
若井 彌一 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (60004123)
星野 周弘 帝京大学, 文学部, 教授 (50297115)
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キーワード | いじめ / いじめ防止 / いじめ対策 / マニュアル / 校内暴力 / 生徒指導 |
研究概要 |
次のような点が今年度の知見として明らかになった。 まず、第1に、いじめの対策および防止プログラムを検討するにあたっては、いじめという行動およびそこに含まれている、いじめ行動の普遍性と被害・加害の転換という本質的要素について考慮すべきであることである。従来の被害学では、特定の環境や特定の状況にある人が被害を被るといった仮説を前提にして理論が形成され、それに基づいて防止策が考えられた。しかし、いじめに見られるような、誰でもが加害者となり得、かつ、誰でもが被害者となるという現象は、従来の被害学や安全観念の組み替えを要請するものである。こうした現象は、いじめ以外の領域では、地球環境汚染問題、原発事故等が同質の問題として考えられる。 そして、第2には、この問題は欧米のみならず現代社会が抱えている近代という問題、あるいは、その近代という観念がもたらされた、理性による科学的コントロールという観念をあらためて問い直す作業を含んでいるということが明らかとなった。 さらに、第3には、いじめ問題の背景と言われている、産業化社会や管理社会の背後にある効率性、合理性という社会的パラダイム、および、個の確立の問題等々はあらためて近代の営みという中で再検討されていく必要があることが確認された。
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