研究課題
基盤研究(B)
(1) データ検索要求の検討本研究で実現されるべき検索要件・ユーザーインターフェイスモデルの構想に取り組んだ。データベースの検索エンジンについては、検討の結果、データベース系図構造の表現に適し、拡張の容易なデータ構造を実現するためにOODB(オブジェクト指向型データベース)を導入することとした。また、運用に際しては、ネットワークによるクライアント・サーバー型による検索システムモデルを考えることとした。しかし、データの特性上、JIS第一・二水準漢字以上の文字セットは不可避である。現状では、これらに対応したOODBは次年度からの登場にかかる。そこで今年度は本格的なシステムの導入は見送り、系図ビジュアライザ実現のための表現手段の策定と、高速な情報検索を実現し、データベースメンテナンスが行えるような検索手順の策定、およびOODBに適合したDTD定義を行った。(2) 表示系の検討本データベースデータにおいては、系図の関係をいかにビジュアルに見せるかということが大きな眼目となる。こうした機能をネットワークで実現させることを第一の目標に据え、XMLなどによるDTD定義などを試みるとともに、EXELを始めとする汎用アプリケーションを利用したビジュアライザを実験的に作成した。実際の運用に際しては、専用のビュアーを開発することとなることが予測されるが、運用母体となるOODBのユニコード対応が本年度末にかかってしまったため、実際の開発は次年度に持ち越すこととした。(3) 複雑なデータ表現の可能性の検討本データベースシステム搭載予定のデータは、大量かつ多種にわたる系図集とでもいうべき特質を持つが、その一方で、兄弟の夫婦関係・一夫多妻型の系図情報も存在する。DTD定義策定に際しては、源氏物語に登場する人物関係図をモデルとして、システム的な実現とは別に、こうした情報検索もできるよう配慮・検討を行った。