研究概要 |
(1) 情報経済論,情報通信産業,情報技術産業,家計行動の変化および交通混雑に関する文献の収集・整理を行った。 (2) 余暇行動,就業-立地行動を内生的に取り扱う都市家計行動モデル,情報・知識インプッ卜中枢管理機能,規模・集積の効果を考慮した都市生産モデルの構築,解析を行った。 (3) 住居-就業行動,余暇活動,労働生産性,地価分布を内生的に取り扱う非線形都市市場均衡モデルの構築を行った。高性能エンジニア・ワークステーションを駆使した非線形シミュレーション・アルゴリズムの開発を行った。 (4) サイバースペースと物理的スペースを考慮した単一都市モデルを構築した。 (5) バーチャル企業と物的企業のモデル化を行い、バーチャル企業の発展がサイバースペース及び物理的空間に与える影響を検討した。 (6) 非線形単一都市モデルのシミュレーションにより、市場均衡解を導出し、単一都市モデルでの空間的構造を明らかにした。 基本的に、当初に計画した研究目的、研究計画・方法に従い、研究を遂行し、十分な結果が得られている。空間経済における情報・知識の役割をより明確にするため、物理的空間とサイバースペースを分離し、両空間の相互作用から、都市空間構造が変貌してゆく過程を説明するためのモデル構築を行った。数値シミュレーション・アルゴリズムとソフトウエアの開発を行った。物理的空間における物的財・物的資本とサイバー空間における情報財・知識資本を定義し、両空間における財フローを解析し、交通インフラと情報インフラの空間的構造を明らかにした。ネットワークの外部性の組み込みと社会的最適解の導出については、平成11年度での検討事項とした。また、サイバースペースを考慮した複数都市システムの基本モデルを構築した。この成果は次年度の研究への橋渡しとなり、次年度への準備も十分整っている。
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