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1998 年度 実績報告書

揺動散逸定理に基づく時系列データの非線形解析技術の統合化システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10554001
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

岡部 靖憲  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30028211)

研究分担者 合原 一幸  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40167218)
中野 祐治  滋賀大学, 経済学部, 教授 (60024981)
岡野 豊明  日本ユニシス, 応用ソフトウエア部, 部長(研究職)
柳川 尭  九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80029488)
伏見 正則  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70008639)
キーワードKM_2O-ランジュヴァン方程式論 / 計量ベクトル空間内の退化・非退化の流れ / 弱定常性と揺動散逸定理 / ホワイトノイズ添加流 / KM_2O-ランジュヴァン行列 / 強定常過程 / 局所的な非線形情報解析 / 局所的な非線形予測理論
研究概要

これまで,ウイーナー・マサニ以後未解決であった非線形予測問題を彼らと同じ条件:(1)確率過程は大域的で強定常性をもつ (2)確率過程の道(サンプル)の有界性 (3)任意の有限次元分布の支えのルベーグ測度は正である (4)確率過程の平均はゼロである の下で,KM_2O-ランジュヴアン方程式論に基づき計算できる非線形予測子のアルゴリズムを求めた.そこで用いたKM_2O-ランジュヴァン方程式論は計量ベクトル空間内の局所的な流れが一次独立所謂非退化な流れを扱っていた.実際の時系列データの因果解析・決定解析を行うときは,一次独立性が成り立たない退化した流れを扱う必要があった.退化したデータに対しては,定常解析における定常テストをも通過しないことがあった.
後半の問題を克服するために,時系列データにそれとは独立な物理乱数を付加して,非退化な場合に帰着する手順を用いてきた.今年度はこの手順の理論的構造を調べ,ホワイトノイズ添加流の概念を導入し,もとの流れにウエイトをもったホワイトノイズ添加流を加えることによって非退化な流れに帰着し,ウエイトをゼロにするとき,非退化な流れに付随するKM_2O-ランジュヴアン行列が収束することを証明し,退化した流れに付随するKM_2O-ランジュヴアン行列を一意的に求めた.
その応用として局所的な有界な確率過程に対する非線形情報解析を整備した.さらなる応用として,ウイーナー・マサニの非線形予測理論における前提条件の(1),(3)が完全に必要がなくなり,さらに,ウイーナー・マサニの理論を局所化し,非定常な局所的な確率過程に対する非線形予測問題を完全に解決した.
さらに前に述べた前半の問題であった因果解析・決定解析を退化した流れにも適用できる理論的側面を整備した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Okabe and T.Yamane: "The theory of KM_2O-Langevin equations and its applications to data analysis(III): Deterministic analysis" Nagoya Mathematical Journal. 152巻. 175-201 (1998)

  • [文献書誌] T.Kanamaru,T.Horita and Y.Okabe: "Stochastic resonance in the Hodgkin-Huxley network" Journal of the Physical Society of Japan. 67巻12号. 4058-4063 (1998)

  • [文献書誌] Y.Okabe: "On the theory of KM_2O-Langevin equations for stationary flows(I): characterization theorem" Journal of the Mathematical Society of Japan. 52巻(掲載予定). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2014-07-15  

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