研究概要 |
1. 軟X線湾曲結晶分光器の設計を以下の仕様で行った。 (1) ローランド円半径50cm、分光結晶の曲率半径1mで設計を行った。 (2) 波長スキャン角度はθ=35°〜65°(2θ=70°〜130°)とした。 (3) 試料室の到達真空度は1×10^<-10>Torrの超高真空仕様とし、分光結晶室は1×10^<-8>Torrの高真空仕様とした。また、超高真空を維持するため、軟X線に対し透過力の高い高分子膜窓付きのゲートバルブを使用することとした。 (4) 真空排気系はターボ分子ポンプを用いた。 (5) 検出器としては位置敏感型検出器を使用することとし、パックギャモン型を開発することとした。 (6) 分光結晶として、RAP,ADP,PET,ベリルの4種類を選定した。 2. 製作した分光器の動作テストを以下の順序で進めている。 (1) 超高真空試料室(チェンバーA)及び分光結晶室(チェンバーB)の真空テストを行う。 (2) パルスモータを用いてθ-2θ回転及び波長スキャンシステムの駆動テストを行う。 (3) 分光結晶を取付、光学アライメントの調整。 (4) 検出器を取付、計測系のテストを行う。 (5) 電子銃を取付、Sikαスペクトルを用いてスペクトル測定の総合テストを行う。 3. 現在の進行状況 現在、分光器の動作テストとして2の(3)まで進めており、順調な結果を得ている。今後(4),(5)を来年度早々に行う計画である。なお、本研究に関連した学会発表を1999年3月28日開催の日本物理学会年会にて行う予定であり、学術雑誌への論文投稿については来年度に行う予定である。
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