研究概要 |
本研究の目的は地球内部の温度圧力条件を再現し,地殻、マントル、さらに中心核を構成する物質の構造の究明することである.そのために今年度は,高圧・高温下での物質の変化過程を秒単位で時間分割単結晶X線回折方法によって測定・観察するシステムを検討してきた.構造の変化の運動論や,その転移や分解反応の機構を解明するためには、高温・高圧システムと二次元X線強度測定検出装置を用いて測定を迅速に行う時間分割測定が可能なCharge Coupled Devise(CCD)検出器を購入することにした.近年開発されたCCDは欧米のSIMENS、NONIUS、QUANTUM社,国内で浜松フォトニクス社,理学電機製のCCDを色々な観点から検討し結果,理学電機社の技術人と設計し,開発をすることにした. 購入した理学電機製のCCD検出器の性能テスト(位置分解能,検出効率,ダイナミックレンジ,再現性等)を年度内に終了する.電気的に検出光子数が瞬時に記憶回路に転送システム,また回折強度データ整理と表示のソフト開発を行なってきた. 研究室に既に存在する回転対陰極強力X線発生装置に設置したHUBER社製の四軸自動回折計にCCD検出器を取り付け一体型の装置にした. 時間軸を考慮した加圧状態出の結晶の構造変化の動的過程を遂時測定するため,外熱型の電気抵抗加熱装置を内蔵したダイヤモンドアンビル加圧装置を改良し,最高温度550℃,30GPaまで加圧できるシステムの開発は既に終了した.このシステムを用いて構造相転移のカイネティクスの研究について粉末X線回折法で予備実験をエネルギー分散検出装置を用いて行なった.
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