彗星核再現実験装置の開発

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10554027
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 香内 晃 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60161866)
• 研究分担者: 渡部 直樹 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (50271531) ; 荒川 政彦 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222738)
• キーワード: 彗星 / 彗星核 / アモルファス氷 / 微粒子

研究概要

彗星の進化を明らかにするために,実際の彗星を構成している氷微粒子と同じ大きさ,同じ化学組成のアモルファス氷微粒子を用いた彗星核再現実験装置を開発するのが本研究の目的である.本年度は装置の開発を主として行い,次のような要求を満たす装置を作製した:
(1)直径0.1-1mmでCOやCO2などを含んだアモルファス氷微粒子を大量に作製できること.
(2)作製したアモルファス氷微粒子を低温下で大量に堆積させられること.
(3)アモルファス氷微粒子層の加熱や,紫外線照射などができること.
(4)加熱あるいは紫外線照射などによるアモルファス氷微粒子層からの揮発性分子の脱ガス,アモルファス氷微粒子自体の構造変化,アモルファス氷微粒子層の構造変化などを各種の分析法で調べられること.

研究成果

• [文献書誌] Arakawa,M.: "Collisional disruption of ice by high velocity impact" Proc.31th ISAS Lunar and Planetary Symp.13-16 (1998)
• [文献書誌] Sugi,N.,M.Arakawa,A.Kouchi and N.Maeno: "In-situ mass spectrometric observation of impact vaporization of water-ice at low temperatures" Geophys.Res.Lett.25. 837-840 (1998)
• [文献書誌] Higa,M.,M.Arakawa and N.Maeno: "Size dependence of restitution coefficients of ice in relation to collision strength" Icarus. 133. 310-320 (1998)
• [文献書誌] Jepiskinns,P.,D.F.Blake and A.Kouchi: "Amorphous water ice- A solar system material" Solar System Ices. 139-155 (1998)
• [文献書誌] N.Watanabe,Y.Awaya,A.Fujino,Y.Itoh,M.Kitajima,T.M.Kojima,M.Oura,R.Okuma,M.Sano,T.Sekioka and T.Koizumi: "Photoion-yield spectra of in the 4d-threshold energy region" J.Phys.B31. 4137-4141 (1998)
• [文献書誌] E.Shigemasa,J.Adachi,K.Soejima,N.Watanabe,A.Yagishita,and N.A.Cherepkov: "Diret Ditermination of Partial Wave Contributions in sigma^* Shape Resonance of CO Molecules" Phys.Rev.Lett.80. 1622-1625 (1998)