研究課題/領域番号 |
10554034
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
富永 圭介 神戸大学, 理学部, 助教授 (30202203)
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研究分担者 |
笠原 俊二 神戸大学, 理学部, 助手 (00260646)
新倉 信治 スペクトラ, フィジックス社・レーザープロダクト事業部, テクニカルサポートマ
猿倉 信彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40260202)
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キーワード | チタンサファイアレーザー / フェムト秒レーザー / キャビティ・ダンパー / 多光路式増幅器 / 超高速分光法 |
研究概要 |
1991年にチタンサファイア(Ti:S)結晶を用いた共振器から100fs以下の超短パルス光の発生に成功して以来、Ti:Sフェムト秒レーザーはもっとも一般的なフェムト秒光源として用いられてきた。超高速レーザー技術は化学、物理学、生物学などにおける基礎研究のみならず、高速通信や新しい光学素子の開発など光科学を用いた産業においても近年その重要性を増している。本研究では、パルスエネルギー数+nJ/pulseからサブμJ/pulseの高出力超短パルスをkHzからMHzの繰り返し数で発振する比較的廉価なレーザーシステムの開発を行う。共振器内キャビティダンパーを用いたTi:Sレーザー共振器を開発すること(数十nJ/pulseを達成)とこれに多光路式増幅器とQ-スイッチナノ秒ダイオードレーザーを組み合わせること(サブμJ/pulseを達成)によりこれを行う。本年度は、まず実験室をレーザー開発に適するように大幅改良した。さらに実験室環境(光学定盤などを含む)を整備し、湿度・温度などを最適条件に制御できるようにした。チタンサファイアレーザーのキットを購入し、その製作に取りかかった。CW発振を得ることができ、現在モードロックの調整を行っている。また短パルスの性能を調整・評価する周辺機器も超短パルスレーザーの製作では重要な位置を占めるが、共振器から出力のスペクトル成分を観測するための光スペクトルアナライザーを一次元CCD検出器と回折格子、及びオッシロスコープを用いて製作しており、非常に廉価な光スペクトルアナライザーを開発することができると思われる。
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