アルデヒド類とジケテンとの反応において、キラルなシッフ塩基のチタン錯体を触媒に用いて、高い光学純度の5-ヒドロキシ-3ケトエステルが生成することを発見した。 生成物はコレステロール低下剤の新薬合成の原料となることから研究を進めた。種々反応条件を研究した結果、不斉収率も最高90%に達することも分かった。さらに20モル%のキラルな配位子を用い、Ti(OR)_4を化学量論的に用いても光学活性な生成物が良い化学収率で得られることを発見した。また実用化に必要な条件である光学純度100%の生成物は光学活性ラクトンに化学誘導した後、再結晶により得ることが可能となった。また光学活性配位子の回収は企業の研究によりカチオン交換樹脂を用いて90%以上光学純度を落とさずに行うことに成功した。 また上記と同じ触媒がアルデヒドのジメチル亜鉛による不斉メチル化反応の優れた触媒となることを発見した。この反応もリウマチの新薬の製造原料となることから、光学純度100%にあげるための研究が行われ、結晶誘導体にすることと、この化合物の再結晶により光学純度を99%にすることができた。
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