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1998 年度 実績報告書

天然有機分子の立体配置決定のための実践的力法論

研究課題

研究課題/領域番号 10554043
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

村田 道雄  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40183652)

研究分担者 内海 博明  日本電子応用研究センター, 研究員
橘 和夫  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70142081)
キーワードNMR / スピン結合定数 / 立体配置 / 立体配座 / 鎖状構造
研究概要

最近のNMRの装置と測定方法の進歩によって構造解析が大幅に迅速化・簡便化したが、一方で、鎖状の系などの立体化学の決定は今もって困難である。本展開研究では、これらのNMRの進歩に着目し、炭素-水素間のスピン結合定数および不斉配位子を利用して、天然有機化合物のための実用的な立体構造解析システムを作り上げることを目的とした。初年度である平成10年度は、天然有機化合物の立体構造解析の際に問題となっている以下の2点を取り上げ研究を行った。1)炭素-水素間のスピン結合定数測定法およびその解析法の開発;2)不斉配位子との複合体形成を利用した平面構造で隔てられた不斉炭素の関係づけ。
次のカップリングとシグナルの重複が障害となって困難なことが多い鎖状系や中員環系に対して、HETLOC法を適用して、メチレンやエチレンのスピン結合定数の測定を行った。この方法の信頼性を向上させ天然物に広く応用するためには、ノイズの低減が不可欠であったが、新たにフィールドグラジエント法を併用し好結果を得た。また、水素間の2次元法ではE.COSYと部分励起を併用して高分解能スペクトルを測定した結果、従来の二倍の精度で^<2.3>J_<H.H>値を求めることができた。これらのスペクトル法を組み合わせて用いることによって、鎖状天然物であるアンフィジノールの完全構造を決定することができた。また、鎖状でメチレン二つをはさむ二つの不斉中心を関係付ける方法については、実際の天然物とモデル化合物を用いて^<2.3>J_<C.H>値を測定し立体配置の帰属の精度を検証した。その結果、水酸基などが置換した系では立体配置を決定できる可能性が高いことが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Michio Murata: "Absolute configuration of amphidinol 3,the first complete senucture elucidation from amphidinal nomolognes" Journal of American Chemical Society. 121. 870-871 (1999)

  • [文献書誌] Nobuaki Matsumori: "Sterechemical determination of acyclic structures based on carbon-proton spin-compling constants-A method of condiguration analysis for natural products" The Journal of Organic Chemistry. (印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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