研究課題/領域番号 |
10554048
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
飯田 滋 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30012777)
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研究分担者 |
田中 良和 サントリー株式会社, 基礎研究所, 主任研究員
小関 良弘 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50185592)
稲垣 喜茂 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50280764)
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キーワード | 花卉植物 / アサガオ / マルバアサガオ / カーネーション / 色素合成系遺伝子 / ゲノム解析法 / 遺伝子同定法 / 植物分子育種 |
研究概要 |
我々は既にアサガオやマルバアサガオの花の色模様形成、特に可動遺伝因子が関与する易変性花色変異に関わる幾つかの遺伝子の同定に成功した。これらの成果を踏まえて、本研究では近年急速に発達しつつあるゲノム解析法であるDD(Differential Display)、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphisms)-based DD[またはAMF(AFLP-based mRNA fingerprinting)]、TD(Transposon Display)などを駆使して、アサガオやマルバアサガオ、カーネーションなどの園芸的の興味のある未知遺伝子の検索を行い、それらの遺伝子の発現様式についても検討する。 本年度は特にアサガオやマルバアサガオの青色化など花色に関する未知遺伝子の同定を試み、以下の成果を得た。アサガオやマルバアサガオの青色化に関わる変異の1つmagenta変異は、P450系のflavonoid3'-hydroxylase(F3'H)の遺伝子に起こった変異であり、アサガオの場合はフレームシフト変異、マルバアサガオの場合はAc/Ds系と考えられる新規のDNA型トランスポゾンの挿入変異であった。また、アサガオの赤紫色のつぼみが開花と共に青色化する際に花弁細胞の液胞内のpHが上昇することが知られているが、この青色化に関わる遺伝子が易変性となり、紫色地に青色のスポットやセクターの絞り花を咲かせるPr遺伝子の同定を、我々が既に単離したEn/Spm系のTpn1の類縁因子がこの易変性変異にも関与しているのではないかとの想定の下に、TD法などにより試みた。その結果、この易変性Pr遺伝子の変異にもTpn1の類縁因子が関与していると思われる結果も得られた。現在、得られた遺伝子による花弁の青色花の機構を検討中である。さらに、花の暗色化に関わる遺伝子の解明を目指して、glucosyl transferaseなどアントシアニンの配糖化にかかわる遺伝子の解析も行っている。
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