• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 研究成果報告書概要

微細藻類の気生状態を用いた二酸化炭素固定システム

研究課題

研究課題/領域番号 10554049
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分展開研究
研究分野 植物生理
研究機関東京薬科大学

研究代表者

都筑 幹夫  東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
キーワード微細藻類 / 二酸化炭素 / 地球環境 / クロレラ / スピルリナ
研究概要

微細藻類の中にはろ紙や布などの固相面の上で光合成を行えるものがある。その能力を生かして、大気のCO_2固定化システムを構築することをめざした。まず、種々の微細藻類を用いてろ紙の上での光合成活性を測定したところ、緑藻クロレラやクラミドモナス、紅藻ポルフィリディウム、ラン藻スピルリナやシネコキスティスなどが高い活性を示すことが明らかとなった。また、クロレラはかなりの脱水状態になるまで、光合成活性が保持されていることも判明した。そこで、クロレラやスピルリナを用いて、布をベルトとするベルトコンベアを作製した。布の種類や細胞ののせ方、細胞の回収方法を検討し、自動化に近い条件で光合成を行わせることが可能となった。しかし、屋外では、風などにより水分の蒸発が早く、蒸発を防ぐための透明ビニルシートが必要となった。水分子を通さず、CO_2やO_2分子を透過できるシートはまだ見い出せず、さらなる工夫が必要である。リアルタイムに葉の光合成速度を測定する装置を用いて、ろ紙上の微細藻類の光合成速度を測定することを試みた。この装置では、水分を含んだ空気中のCO_2濃度を赤外部の吸収で測定し、高等植物葉の蒸散を含めて計算で求めている。しかし、ろ紙上に置いた微細藻類は蒸発が早く、光を当てない暗中ですら計算値は正の値が得られた。水による誤差を補正したところ、水分を除いてからCO_2濃度を測定した時の結果とほぼ一致する結果が得られた。この方法で、光が当たり始めてからの光合成速度の時間変化を調べたところ、定常値に達するまでの時間がスピルリナで15分以上かかるのに対し、クロレラでは数分後に到達することが明らかになった。さらに、チラコイド膜の酸性脂質が光合成、特に光化学系IIタンパク質複合体の構造維持に関与し、活性保持に寄与していることも明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Fujiwara,S. et al.: "Isolation and characterization of arsenate-sensitive and resistant mutants of chlamydomonas rein hardtu."Plant Cell Physiology. 41. 77-83 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Sato et al.: "Requirement of phosphatidylglycerol for photosynthetic function in thylakoid membranes."Proc.Nat.Acad.Sci.,USA.. 97. 10655-10660 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 都筑幹夫: "微細藻類の光合成と環境保全への利用"バイオサイエンスとバイオインダストリー. 59. 27-30 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Fujiwara, S., I.Kobayashi, S.Hoshino, T.Kaise, K.Shimogawara, H.Usuda, & M.Tsuzuki: "Isolation and characterization of arsenate-sensitive and resistant mutants of Chlamydomonas reinhardtii."Plant Cell Physiol. 41. 77-83 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Sato, N., Hagio, M., Wada, H., and Tsuzuki, M.: "Requirement of photsphatidylglycerol for photosynthetic function in thylakoid membranes."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97. 10655-10660 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tsuzuki, M.: "Algal photosynthesis and its utilization for environment. (in Japanese)."Bioscience and Bioindustry. 59. 27-30 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 2002-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi