研究概要 |
気相エピタキシャル成長法は化合物半導体の素子作成に不可欠な技術であり、現在、有機金属気相成長法(MOVPE)、ハロゲン気相成長法(VPE)および分子線エピタキシー法(MBE)が工業的にも用いられている。これらの気相成長エピタキシャル成長において、成長速度や成長結晶の組成などの基礎的な知見を前もって得ることは、研究開発のみならず結晶成長装置の設計上からも非常に重要である。 この目的のため、本研究では世界中の研究者や開発者がインターネットを通じて自由に計算できる「インターネットを利用する半導体気相エピタキシャル成長用熱力学解析システム」の構築を行った。このシステムは、研究者個々の結晶成長条件をWebを通じて入力し、グラフとして可視化された結果をWebを通して得ることが可能なシステムである。 最終年にあたる本年度は、特に、高速計算サーバを導入するとともに計算アルゴリズムおよび可視化表示ソフトウェアーに改良を加え、青色発光素子材料として世界的に注目されているInGaN,AlGaN,AlInN混晶のMOVPE成長の熱力学システムの再構築を行ない、高速に表示が可能なようにした。具体的な成果を下記に示す。 (1)熱力学平衡計算アルゴリズムに改良を加え、計算が破綻することなく解が得られるようにした。 (2)上記アルゴリズムにより、高速に計算が出来るようにした。 (3)可視化ソフトウェアーの改良により、高速な線画を可能にした。 (4)平衡分圧の表示を可能にするとともに、各実験パラメータ(計算条件)を自由に選択可能とした。
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