研究課題/領域番号 |
10555013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
豊岡 了 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90019753)
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研究分担者 |
張 青川 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00292649)
門野 博史 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70204518)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 分光画像処理 / 広帯域フィルタ分光撮像装置 / 植生モニター / シラビソ |
研究概要 |
初年度は、基本システムの確立と、植生モニターによる環境影響調査の両面から研究をすすめた。研究の概要は以下の通りである。 ● 並列処理システムの確立 膨大な量のデータからなるマルチスペクトル画像を効率的に処理するために、新たに広帯域フィルタ分光撮像装置を提案し試作および特性解析を行った。これは、対象物をその分光スペクトル分布の違いによって分類するために最適なフィルタ関数をニューラルネットワークによって設計し、書き込み消去可能な広帯域透過形フィルタを実現する装置である。その結果、可視域では一般のカラー画像を対象に4つのフィルタでスペクトル解析を行うことができた。これらの成果は、平成11年1月にフィンランドで開催された光工学国際会議で報告した。 ● 植生モニターのための基礎データ採取および解析 秩父山系に群生する針葉樹であるシラビソを人工的に次の2組4種類の環境を用意して生育した。(1)高湿および低湿環境、(2)大気中のオキシダントに対する浄化および非浄化環境。それぞれ生育したシラビソの葉に対して干渉フィルタを通した多重画像撮像と広帯域スペクトル放射計測定を行った。得られたデータを部分空間法およびニューラルネットワークによる分類を行い、樹木が環境によって受ける不可視的なダメージを推定できるとの見通しを得た。 ● レーザ誘起蛍光法(LIF)の導入 植物の光合成活動を直接反映する方法として、レーザ誘起蛍光法(LIF)を導入し、必要な装置の準備等を行った。 次年度以降は、ライフサイクルの短い草本類をオープントップチャンバー内で育成し、分光反射率およびレーザ誘起蛍光計測の両面から測定と解析を行う予定である。
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