研究概要 |
本研究では,半導体モード同期レーザパルスからコヒーレントにスペクトルを拡散し,このスペクトルを操作することにより,任意の時間軸および周波数軸特性を持つパルスを発生させることをめざした。 まず,ピコ秒光パルスを光ファイバに人射することにより,広帯域スーパーコンティニュームスペクトルを発生させる方法について研究を行った。広帯域かつ平坦なスペクトルを得るには,光ファイバの二次分散が正常域にあり,しかも三次分散が0である必要があることが理論的に示された。次にこのようなファイバを試作し,最大で10dB帯域が280nmにおよぶ,極めて平坦なスーパーコンティニュームの発生に成功した。さらに,導波路回折格子フィルタでスーパーコンティニュームスペクトルを分光することにより,10Gbit/s-20chの多波長パルス光源の試作に成功した。各チャンネルのパルスの均質性は極めて良い。また,各チャンネルは低雑音であり,スーパーコンティニューム発生およびスペクトルスライスによるペナルティーはほとんどないことが明らかになった。
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