研究課題/領域番号 |
10555016
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
平等 拓範 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50216595)
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研究分担者 |
パベル ニコライ 日本学術振興会, 外国人特別研究員
庄司 一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 非常勤研究員
栗村 直 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (10287964)
猿倉 信彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40260202)
平野 嘉仁 三菱電機株式会社, 情報技術総合研究所, チームリーダー
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キーワード | LD励起固体レーザー / Yb:YAGレーザー / マイクロチップレーザー / セラミックレーザー / 超短パルスレーザー / M^2因子 / 非線形波長変換 / QPMデバイス |
研究概要 |
次世代の高出力固体レーザーと目されるLD励起Yb:YAGレーザーの高出力動作法及びそれに適したモードロック法を確立させ、QPM技術を用いて高効率に任意波長に変換することを目的として研究を行い以下のような成果を得た。 (1)高性能Yb:YAGモードロックレーザーの開発(平等、パベル)(a)受動Qスイッチ型YAGレーザーの高出力化に成功した。これまでに、繰り返し周波数20kHz程度で平均出力4.2Wが得られている。これにより本研究で開発したM^2因子を用いた固体レーザー設計法の有用性が確認できた。(b)共振器内部SHG型Yb:YAGレーザーを検討していたところ波長可変幅が、予想を1桁上回る85nmにも及ぶことを発見した。これはYb:YAGにおいても100fs以下の短パルス発生が可能なことを示唆するもので、これまでのYbレーザーに対する認識が大きく変わる発見と思われる。 (2)高出力Yb:YAGレーザー増幅器の試作検討(パベル、平野、平等)(a)従来は不可能とされていたセラミックYAGの高効率レーザー発振に成功した。セラミック法を用いることによりYb:YAGレーザー高出力化の可能性がでてきた。(b)また、超短パルス発生方式の研究とは独立にYb:YAG増幅特性の検討を始めた。 (3)高効率波長変換素子の検討(栗村、庄司)超短パルスモードロックレーザーに適した非線形波長変換素子としてのQPM素子構造を検討した。現在、高出力波長変換のためのQPMプロセス改良を行っている。 (4)テラヘルツ発生方式の検討(猿倉)モードロックTi:サファイアレーザーを用いたテラヘルツ発生の実験的検討を共振器内部に半導体(InAs)を配置することにより行った。InAsにはおよそ1Tの磁場を印加することにより、テラヘルツ強度を増強させている。本実験により、高効率なテラヘルツ発生のための設計に関する指針は、大きく前進したといえる。
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