研究課題
基盤研究(B)
本研究では固体レーザーのモデル化と高出力超短パルスレーザーとして期待されるYb:YAGレーザーの性能追及と高効率波長変換方式について検討した。(1)固体レーザーのモデル化と高出力化 対称2ロッドNd:YAGレーザーにより高出力化を図りマルチモードで最大出力400W、TEM_<00>モードで163Wを得た。また、マイクロチップNd:YAGの最適設計にM^2因子法を適用し、スロープ効率59%で最大4.1WのCW出力を得た。さらに、Cr:YAG受動Qスイッチを併用した短パルス化・高輝度化を行った。(2)Yb:YAGレーザーの性能追及 M^2因子を利用することによりYb:YAGマイクロチップレーザーの最適化を行った。長さ400μmのチップから、スロープ効率60%、CWで3Wの出力を得た。また、同構成で85nmと蛍光幅の9倍にも及ぶ広帯域波長可変動作を実現した。これは50fsを切る超短パルス発生が可能であることを示唆するものである。(3)非線形波長変換デバイスの検討 多機能な非線形波長変換法として擬似位相整合(QPM)法を検討した。まずプロセス開発のための分域反転その場観察装置を試作し、MgO : LiNbO_3について最適化を行い、さらにOPO実験で、平均出力60Wの赤外光発生を実現した。(4)超短パルスレーザー応用としてのテラヘルツ発生 波長変換の一つとしてモードロックTi : sapphireレーザー出力を半導体基板に照射し数100mWの高出力テラヘルツ光を得ることができた。(5)新レーザー材料の探索 高濃度Nd添加YAGセラミックスを用いたマイクロチップレーザーを試作し、単結晶に比較し2〜3倍程度の高出力発振特性を実証した。この件は、米国雑誌のトップ記事となるとともに、国内でも新聞記事や雑誌記事としても取り上げられた。
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